内容説明
熊本大学の旧講堂が取り壊される運命に決まったとき、著者はそれを買い取り、阿蘇の麓に移築して自邸として再生させた。講堂が住居へ―建築の記憶を刻むこの風変わりな住居は「孤風院(こふういん)」と名づけられ、話題を集めた。解体・移築から、家族や周囲の人々の協力を得て住居として生まれ変わるまでの記憶と、折々の自然や生活のエピソード。
目次
1 古往今来(プロフィール;孤風院―変身した住まいとしての講堂;出生;運命;住宅、仕事場、別荘;破戒)
2 阿蘇だより(冬日記;春の野焼き;初夏の風;秋の色)
3 移築の記録(移築の記録 1975‐90)
4 さまざまな出会い(先客晩来;情報発信と評価;忘れがたい、不老舎)
5 孤風院の周辺から(住宅とは、いったい何か?;熊本の洋館・和館から保存運動へ;建築設計と保存修形;熊本高等工業学校講堂実測図;甦る明治建築;熊本はぼくの知的生産工房)