内容説明
表現主義的で、幻想的な「アムステルダム派」、合理主義的で、客観的な「ロッテルダム派」や「デ・ステイル」、そして新・即物主義の理念を提唱した「デ・アフト」や「オップバウ」などさまざまな潮流が存在したオランダは政治的環境の中でオランダ人建築家による数々の輝く集合住宅計画や閉鎖型配置計画から開放型配置計画への展開が試みられた。多様性と対立性の内在するオランダにあって近代住宅建築の理念の歩みは、一国の市民生活史であり、20世紀の都市住宅の礎である。
目次
産業革命以前の状況
工業化と都市化
1900年以前の住宅供給
1900年以前の居住環境
1902年の住宅法
カミロ・ジッテの影響
建築家の新しい役割
田園都市の伝統
集合性と共有空間
標準化
イデオロギー 手段と目的
空間の新しい概念
空間的開放性 高層化