バグるラスコーリニコフ―進化心理学と行動経済学で読む『罪と罰』

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バグるラスコーリニコフ―進化心理学と行動経済学で読む『罪と罰』

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794980502
  • NDC分類 983
  • Cコード C0098

出版社内容情報

『罪と罰』は認知バイアスの教科書だった

ロシア文学の最高峰にして重厚で難解な作品とされる『罪と罰』。しかし本書はドストエフスキーを、人間の非合理性を笑い飛ばす喜劇作家として大胆に再定義する。

なぜラスコーリニコフは非合理な殺人に手を染めたのか? なぜソーニャは過酷な環境をたくましく生き抜けるのか? 著者は進化心理学、行動経済学、認知科学といった最新サイエンスを駆使して、登場人物たちの行動原理を徹底解剖。インセンティブや生存戦略、そして脳の認知バイアスが引き起こす〈人間行動のバグ〉の観点から、名作を再解釈していく。

自意識をこじらせた主人公と、合理的に立ち回るヒロインたちの力関係を追ううち、150年前の古典が現代を生きる私たちの姿を鮮烈に映し出す。文学と科学がスリリングに交差する、かつてないドストエフスキー体験。


【目次】

はじめに
第1部 初期作品でウォーミングアップ
第1章 『白夜』で苦笑い
第2章 ペテルブルグのボーイミーツガール
第3章 『貧しき人々』、そして日本文学
第4章 本当に滑稽で可哀想なマカールさん
第2部 いよいよ『罪と罰』いくよ!
第5章 カッコ悪いヒーロー登場
第6章 主人公は中学生なのか?
第7章 アル中死して、ヒロインが登場する
第8章 ストロングなヒロインと、自己欺瞞なヒーロー
第9章 恋するドン・キホーテたち
第10章 イデオロギーと千年王国
第11章 千年王国とカウンターカルチャー
第12章 怪奇と無神論
第13章 ヒロイン丸儲け
第14章 怒涛のハッピーエンド
第15章 本当の救世主は誰なのか
ブックガイドとしての参考文献
あとがき

内容説明

『罪と罰』は認知バイアスの教科書だった。なぜ主人公は非合理な選択をするのか?なぜ読者はそれに惹かれるのか?最新サイエンスのレンズで覗いてみれば、重厚な悲劇に隠された〈人間行動のバグ〉が浮かび上がる。文学ファンからビジネスパーソンまで必読の知的エンターテインメント。

目次

第一部 初期作品でウォーミングアップ(『白夜』で苦笑い;ペテルブルグのボーイミーツガール;『貧しき人々』、そして日本文学;本当に滑稽で可哀想なマカールさん)
第二部 いよいよ『罪と罰』いくよ!(カッコ悪いヒーロー登場;主人公は中学生なのか?;アル中死して、ヒロインが登場する;ストロングなヒロインと、自己欺瞞なヒーロー;恋するドン・キホーテたち;イデオロギーと千年王国;千年王国とカウンターカルチャー;怪奇と無神論;ヒロイン丸儲け;怒涛のハッピーエンド;本当の救世主は誰なのか)

著者等紹介

樫原辰郎[カシハラタツロウ]
映画監督・脚本家・評論家。1964年大阪生まれ。大阪芸大在学中に海洋堂に関わり、完成見本の組立や宣伝などを手がけた後、脚本家から映画監督に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Vakira

50
日本の神話では八岐大蛇だったり、海外ではドラゴンであったり、桃太郎における鬼を退治する昔話に出てくる怪物が現代には最早存在しない。己の内面にドラゴンや鬼を見出すように自我との戦いにシフトしたのがドストエフスキー。成程!!樫原さんのその発想というか解釈、素晴らしい。すんなり腑に落ちました。して、日本におけるドストエフスキーの影響。おお~ そうじゃ~ 大江健三郎さん、中上健次さん。内面に抱え込んだ問題と葛藤する物語を創作。「痛い人」!こんなところでドスやん好きの僕が本谷有希子小説に惹かれる理由に繋がりました。2026/08/21

おだまん

8
タイトルだけでバグるラスコーリニコフが想像できる。イケメンで頭はいいけどEQの低い主人公と信心深いソーニャとのボーイミーツガール物語。罪と罰をドストエフスキーやその周辺、他の作品とも絡めてイマドキの語り口調で面白おかしく進化心理学、行動経済学、ゲーム理論、認知科学、哲学的自然主義視点で解説。キリスト教観点では週末にマタイ受難曲を聴きに行ったばかりなのでとても腑に落ちた。様々なところに影響力があるんだなぁ。ドストエフスキー、もっと読みたくなりました。2026/10/05

ほととぎす@nekohototogisu

3
著者の漫談を聞いてる様な感じで楽しく読了。文豪の名作と云う事で堅苦しく考える必要はないんだと理解。『罪と罰』を再読したくなった。未読の『貧しき人々』と『白夜』も読みたくなった。貧しさ故に苦しむ市政の人々、科学の発展と宗教や信仰心との対立、産業革命と格差の拡大、共産主義革命的精神の萌芽、偶然の縁であれ金をくれる人は良い人だ等々の19世紀ロシアの社会背景。登場人物がとにかく情熱的で暑苦しい。ラスコーリニコフは、殺人犯にはなってしまったが、周りの人間に恵まれ、テロリスト(革命家)にならなくて良かったね。2026/08/26

スコットレック

2
ドストエフスキーという作家は読んでも面白いし、語ってもめちゃくちゃ面白い。以前読んだ"『罪と罰』を読まない"という本も面白かった。そして本書もとても面白い! 圧倒的なパワーと、難解な面を併せ持つドストエフスキーの作品を整理して理解しやすくしてくれた。"経済"という側面から見る"罪と罰"、自分にとって新鮮だった。 ちなみに本書は思いっきり「白夜」「貧しき人々」そして「罪と罰」のネタバレになっているので、これからドストエフスキーの作品に触れようとしている人は注意。2026/07/22

特別捜査官(楽隠居志願)

2
各種現代理論できっちり分析できるドストエフスキー。社会や人間の本質を掴んで描いていた凄さ。これは想像以上の良書。『罪と罰』をがっつり読み込んだ人より「とりあえず読んだことある」人にこそ超おススメである。『罪と罰』再読したくなること必至。2026/06/28

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