出版社内容情報
『罪と罰』は認知バイアスの教科書だった
ロシア文学の最高峰にして重厚で難解な作品とされる『罪と罰』。しかし本書はドストエフスキーを、人間の非合理性を笑い飛ばす喜劇作家として大胆に再定義する。
なぜラスコーリニコフは非合理な殺人に手を染めたのか? なぜソーニャは過酷な環境をたくましく生き抜けるのか? 著者は進化心理学、行動経済学、認知科学といった最新サイエンスを駆使して、登場人物たちの行動原理を徹底解剖。インセンティブや生存戦略、そして脳の認知バイアスが引き起こす〈人間行動のバグ〉の観点から、名作を再解釈していく。
自意識をこじらせた主人公と、合理的に立ち回るヒロインたちの力関係を追ううち、150年前の古典が現代を生きる私たちの姿を鮮烈に映し出す。文学と科学がスリリングに交差する、かつてないドストエフスキー体験。
【目次】
はじめに
第1部 初期作品でウォーミングアップ
第1章 『白夜』で苦笑い
第2章 ペテルブルグのボーイミーツガール
第3章 『貧しき人々』、そして日本文学
第4章 本当に滑稽で可哀想なマカールさん
第2部 いよいよ『罪と罰』いくよ!
第5章 カッコ悪いヒーロー登場
第6章 主人公は中学生なのか?
第7章 アル中死して、ヒロインが登場する
第8章 ストロングなヒロインと、自己欺瞞なヒーロー
第9章 恋するドン・キホーテたち
第10章 イデオロギーと千年王国
第11章 千年王国とカウンターカルチャー
第12章 怪奇と無神論
第13章 ヒロイン丸儲け
第14章 怒涛のハッピーエンド
第15章 本当の救世主は誰なのか
ブックガイドとしての参考文献
あとがき



