自滅帳

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自滅帳

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  • サイズ 46判/ページ数 376p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794980151
  • NDC分類 902.3
  • Cコード C0095

出版社内容情報

人はなぜ自滅するのか。「死の欲動」が暗躍する闇世界に、なぜ引き摺り込まれ、沈みゆくのか──。精神科医・春日武彦が描く、「自滅」をテーマにした13篇の文学案内。海外編7作、日本編6作を取り上げ、破滅へ傾く人物たちの姿を描いていく。紹介作品は、パトリシア・ハイスミス、ジョン・チーヴァー、デルフィーヌ・ド・ヴィガのほか、吉行淳之介、林芙美子、松本清張らの短篇も含まれ、名作もあれば、忘れられた小品もある。これら作品の自滅者たちを紹介しつつ、著者自身の記憶や妄想が交錯する断章を織り交ぜて、読者をほの暗い精神の深淵に引きずり込む。好評既刊『自殺帳』の姉妹編とも言うべき内容。

“わたしは今までの人生で、自滅していく人たちを案外沢山目にしてきたような気がする。彼らは自暴自棄に陥っていたり、ふて腐れた挙げ句のセルフネグレクト的な生き方であったり、チープな「滅びの美学」に酔っていたり、緩慢な(あるいは生煮えの)自殺であったり、罪悪感の清算であったり、傲慢であったがための必然的な報いであったり、怠惰と自己欺瞞の結果そのものであったり、世間知らずゆえの悪因悪果であったり等々、さまざまな経緯から自滅へと到達していた。ではそのときに彼らはどのような心持ちであったのだろうか。”(「はじめに」より)

【目次】
はじめに
01 淫景 松本清張『断崖』
02 満ち足りた生活 デルフィーヌ・ド・ヴィガン『子供が王様』
03 いじましい人 吉行淳之介『痴』
04 束の間の救い パトリシア・ハイスミス『手持ちの鳥』
05 トランジスターグラマー 林芙美子『牛肉』
06 死に際して思い返す景色 ウィリアム・トレヴァー『ピアノ調律師の妻たち』
07 なめるなよ 笠原淳『サイモンの塔』
08 異物 H・E・ベイツ『愛ならぬ愛』
09 不死の人 丹羽文雄『虚実』
10 はたらくこども アレクサンダー・マクラウド『ループ』
11 隻脚の画家 有馬頼義『小隊長、前へ』
12 蟹っぽい ジョン・チーヴァー『ライソン夫妻の秘密』
付録 犀を贈る トム・フランクリン『ダイノソア』
おわりに


【目次】

はじめに
01 淫景 松本清張『断崖』
02 満ち足りた生活 デルフィーヌ・ド・ヴィガン『子供が王様』
03 いじましい人 吉行淳之介『痴』
04 束の間の救い パトリシア・ハイスミス『手持ちの鳥』
05 トランジスターグラマー 林芙美子『牛肉』
06 死に際して思い返す景色 ウィリアム・トレヴァー『ピアノ調律師の妻たち』
07 なめるなよ 笠原淳『サイモンの塔』
08 異物 H・E・ベイツ『愛ならぬ愛』
09 不死の人 丹羽文雄『虚実』
10 はたらくこども アレクサンダー・マクラウド『ループ』
11 隻脚の画家 有馬頼義『小隊長、前へ』
12 蟹っぽい ジョン・チーヴァー『ライソン夫妻の秘密』
付録 犀を贈る トム・フランクリン『ダイノソア』
おわりに

内容説明

本書は「自滅」をみつめる精神科医・春日武彦氏による不穏な論考である。自殺と違い、必ずしも死という到達点をもたない因業な術、そこに人はなぜ引きずり込まれ沈みゆくのか―。滅びのその姿には、絶望、悲しみ、陶然とした安らぎすら存在し、私たちの心の奥底にある「死の欲動」をざわつかせる。古今東西の自滅の物語群の前後に自身の記憶の断片や妄想の切れ端を配した断章の「距離感」から、自滅の存在する意味がぞろり浮かび上がる。詩情をたたえた不気味な営み、それが目の前に放り出されていることに私たちはいまさら気づかされる。またしても不届な十二の終末譚と付録ひとつ、その名は「自滅帳」。

目次

01 淫景 松本清張『断崖』
02 満ち足りた生活 デルフィーヌ・ド・ヴィガン『子供が王様』
03 いじましい人 吉行淳之介『痴』
04 束の間の救い パトリシア・ハイスミス『手持ちの鳥』
05 トランジスターグラマー 林芙美子『牛肉』
06 死に際して思い返す景色 ウィリアム・トレヴァー『ピアノ調律師の妻たち』
07 なめるなよ 笠原淳『サイモンの塔』
08 異物 H・E・ベイツ『愛ならぬ愛』
09 不死の人 丹羽文雄『虚実』
10 はたらくこども アレクサンダー・マクラウド『ループ』
11 隻脚の画家 有馬頼義『小隊長、前へ』
12 蟹っぽい ジョン・チーヴァー『ライソン夫妻の秘密』
付録 犀を贈る トム・フランクリン『ダイノソア』

著者等紹介

春日武彦[カスガタケヒコ]
1951(昭和26)年、京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医を経て精神科医に。都立中部総合精神保健福祉センター、都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院精神科部長などを経て成仁病院名誉院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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彼方から

0
自滅にまつわる小説にたいする要約的批評集、まさしくエッセーという感じ。著者のお馴染みのスタイルで、いつも通り読んでいる間は鬱々し、読み終えると毒が流れ出るかのようにむしろスッキリする。期待通りの良作。しかしよくこんなにヘンな話を見つけ出せるものだ。その嗅覚が羨ましい。2025/09/21

Lieu

0
「自滅」の物語のあらすじを紹介しながら著者の記憶の断片と結びつけてゆくエッセイという体裁だが、分かりやすい「滅びの美学」に殉じる人物を主人公とする小説よりも、俗っぽさやいかがわしさ、チープさといった本来悲劇と真逆にあるものが孤独や破滅と結びつく人間の話が多い気がする。特に吉行淳之介『痴』。つまり著者の平常運転という感じで、著者が松本清張の小説(しかも独学者・偏屈学者ものではない)を取り上げるのはちょっと意外だったが、あらすじを聞いて納得。マクラウドなど、今度読んでみようと思う作家が増えて良かった。2025/09/19

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