内容説明
福岡のとある里山地域に移住した著者は、どのように「生活」を哲学=行為していったのだろうか。拠点づくり/食料の確保/活動資金の得方/料理/日常のずらし方/お金の秘密/子育てと教育etc.…日常に根差した哲学を実践的、かつ等身大のことばで語る、革命日誌。
目次
家探し―まず、拠点をつくる
農作業―食料を確保する
仕事―活動資金を得る
料理―活きる力を養う
旅行―ぶっ飛んで日常をずらす技法
カネとリャク―この世の仕組みを考える
音楽―music unites everything?
映画―日常を脱構成せよ
本―言葉で戦え
子育てと教育―革命を「育成」するということ
革命―自分の居場所を作るということ
家探し、再び―ずれて、拠点を作り、またずれる
著者等紹介
森元斎[モリモトナオ]
1983年生まれ。東京都出身。専攻は、哲学・思想史。学位は博士(人間科学)(大阪大学、2015年)。中央大学文学部哲学科卒業、大阪大学大学院人間科学研究科修了。日本学術振興会特別研究員、パリ第十大学研究員などを経て、現在、長崎大学教員。ホワイトヘッド哲学を中心とした現代思想や、アナキズムに関する思想の研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
16
著者の本は二冊目。今年度は栗原康に激ハマりしているので、アナキズム本を読み進める。旅行も、学問も、読書も、音楽も、映画もすべて旅なんだっていうのが共感でき過ぎて最高だよね。極貧でも子育てしながら田舎のコミューンで暮らすという著者の生き方には憧れる。2022/12/15
takeapple
12
ずっと考えていて、半ば実践してきたことを言葉にしてくれるのが学者先生ならば、森元斎さんは、私にとっての先生なんだろう。しかし、私であってもこんなに過激はないし、何より私はただの田舎のおっさんだからな。まあ来年の4月以降の生き方に、なるべく資本主義的でない生き方をしていくという方向を肯定してくれる内容である。この人に会って話をしてみたいものである。2023/01/08
よきし
4
なんだかやっぱり日本人アナキストの書いた本は今ひとつしまらないのだけれども、それでもやっぱり所々は面白くって、ゆるゆると読了。栗原さんの影響も受けつつ、もう少し地に足を付けて生活者として見えている感じは良い(栗原さんがダメというわけではない)。革命後を実践してみせることがアナキストの務めというのは強くうなずく。自分も口ばっかりではなく、どう行動するか、だなぁ。ほんとに。2021/09/23
CD
3
もう革命しかないかもね、ではなくもう革命しかないもんね、というすばらしいタイトルにつられて読んだが、とても革命をおこすような気概を感じられるような内容ではなく。。生き方や社会を変えること、たしかに革命なのかもしれないが、そもそも全体的にあまり共感を生むような語り口ではありませんでした。いつか、国会に物理的に爆弾を落とし世の中を変えていきたいというような気骨のある本や人物が現れることを期待しています。私は矢面には立ちたくないので見守るのみ。2024/07/04
26-ring-binder
3
高学歴、しかも世間のいわゆる良い大学ではなく日本の最高学府で哲学博士まで修めてしまった著者の高学歴・ワーキングプア問題に対する投げかのように思う。米国なら教授ポジションを維持するため企業・個人からの寄付も多額であり、その寄付で成り立つ冠教授ポジションもある。日本では大学の人件費のアタマ打ちから特定の科学技術先端分野でもない限り満足な報酬が得られない。ところがどっこい博士たちはなんとか生きている。タレント的知名度の有名教授たちを斜めに見ながらそれでも社会問題を諧謔的に切り取って笑え楽しめる文章だった。2021/08/14