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内容説明
すべてが「ネタ」化する日常。なぜ、芸人が「現代の象徴」になっているのか?2020年、お笑い界に巻き起こった「地殻変動」とは。鋭利な視点で、お笑い×芸能から社会を読み解く。対談収録・九龍ジョー、マキタスポーツ、矢野利裕、西森路代。
目次
第1章 人志とたけし(松本人志論;ビートたけし/北野武論)
第2章 芸能から社会を、あるいは社会から芸能を読み解くことはできるのか?(芸能における観客とはなにか―九龍ジョー;芸能における身体とはなにか―マキタスポーツ×矢野利裕;芸能は社会と呼応するか?―二〇二〇年の地殻変動を読み解く―西森路代)
著者等紹介
杉田俊介[スギタシュンスケ]
1975年、神奈川県生まれ。批評家。法政大学大学院人文科学研究科修士課程修了。文芸誌・思想誌などさまざまな媒体で文学、アニメ、マンガなどの批評活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アン・シャーリーこと寺
71
2020年の大晦日に松本人志論を読むとは思わなかった(まあ自分で選んで読んだのだが)。前半の松本論&ビートたけし論は映画を中心に論じており、観てない私には正直難しかったが、後半の対談、鼎談部分は分かりやすく面白かった。松本人志という人は多分、才能(天才)とは生まれつきのものだと信じており、学んで得たものを軽んずる傾向がある。以前テレビで、読書家である月亭方正の事を「あいつは答えのある事しかわからへん」と評していた。無から有を生む事に価値を置き過ぎて、それが先行作品に似ている事にも気付かない所がある。2020/12/31
ばんだねいっぺい
37
人志とたけしだけど、熱量的には、たけしと人志だった。たけしさんの方が語りやすくて、松ちゃんの方が語りにくいのか。そこへ、第三の男、爆問の太田さんが出てきて、なんか、嬉しかったり。お笑いの人間的なところと非人間的さ。これが重要。2021/06/12
gtn
34
著者いわく松本人志は「天才を詐称し続けねばならない凡人である」らしい。「すべらない話」や「IPPONグランプリ」も、他の芸人よりも松本の話の方が劣る等々例示するが、その前に、こんな先例のないフォーマットを創ったのが松本であることを忘れていないか。挙句の果て、爬虫類っぽい表情、非人間的なドヤ顔等、外見を中傷する始末。著者の経歴を見ると、1975年神奈川県生まれ、法政大大学院卒とのこと。松本に関する情報源が、全国ネット番組と、せいぜいDVD、著作本程度しかないことが知れる。時間が惜しいので、たけし論は未読。2021/05/08
アナクマ
31
創作物とその作者を読み解くことは、二重の意味で興味深い。まず、作品の解題への素朴な興味。そして、それがいったい何になるのか?だ。◉「松本のみすぼらしさの論理」(杉田)や「たけしの殺伐、松本の虚無、太田光は議論を厭わず真っ向勝負する」(マキタ)、「コウメ太夫は闇堕ちしなかったアーサー」とか、いちいち面白い。見事に解くものだなあと。◉その一方で「批評は芸能か」の議論も多少。このような本が社会に膾炙し賞味されるさまを思うと、基本的にこういうのは「芸」なんだろうなと考えてみました。悪くない社会だ。どっとはらい。→2021/06/15
akihiko810/アカウント移行中
25
松本人志と北野武を映画から読み解く。前半が松本、たけしを映画から読み解く論、後半が他批評家と、ふたりを考察する対談・鼎談になっている。印象度B 松本を「天才を詐称し続けねばならない凡人」とみなすところは同意。自分は関西人じゃないしダウンタウン世代でもないが、「今の」松本は持ち上げられすぎ。あと、本論より女性評論家の西森路代との「第七世代」芸人の評論をする対談の方が面白かった。「(宮下草薙ら)第七世代が醸し出す底辺感」というのはなるほどな、と思った。2021/09/29