俺の妹がカリフなわけがない！

中田 考【著】/天川 まなる【漫画】

晶文社（2020/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 381p／高さ 19cm
• 商品コード 9784794971869
• NDC分類 913.6
• Cコード C0095

内容説明

“世界制覇を公約に掲げて生徒会長に当選した俺の妹が「生徒会長」を「カリフ」に改称した。俺の妹がカリフなわけがない！男性であることは、カリフ有資格者の１０条件の一つだ！”超グローバルエリート親子が牛耳るカースト制高校を舞台に、カリフ制再興を唱える天馬愛紗とその双子の兄・垂葉、剣術の達人衣織、理事長の御曹司・無碍、萌え心くすぐる美少女メク、謎の米国エージェント・ナオミなど、一筋縄ではいかないキャラクターたちが繰り広げる、夢と冒険の胸キュン学園ドラマ。はたしてカリフは東方の地・日本に現れるのか？『１３歳からの世界征服』で悩める若者たちへのメッセージを発信した著者が、人類を領域国民国家の牢獄から解放するカリフ制の再興を説くべく書いた、前代未聞のカリフ・ライトノベル。天川まなるによる、イスラーム豆地識マンガも収録。

著者等紹介

中田考［ナカタコウ］
１９６０年生まれ。イスラーム法学者。灘中学校、灘高等学校卒業。早稲田大学政治経済学部中退。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了（Ｐｈ．Ｄ）。１９８３年にイスラーム入信、ムスリム名ハサン

天川まなる［テンカワマナル］
兵庫県生まれ。漫画家。アラブ文化エッセイ漫画を中心に活動。漫画家アシスタントシェアグループＰＡＳＳ代表。２０年前よりアラビア語、アラビア書道、イスラーム全般を勉強しているノンムスリム。イスラーム圏のシリア、エジプト、マレーシア、ブルネイなど漫画ワークショップの経験あり。アラブ文化啓蒙活動として「アラビックフェスタ関西」主催。長年の猪知家アシスタント技術を生かし、日本コンピュータ専門学校にて非常勤講師。実践型プロ志向漫画教師の背景美塾、大阪出張講座にて背景講座担当（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[☆よいこ]

カリフ・ラノベ。筒井康隆のクソラノベ『ビアンカ～』と同じ匂いがする。同著者の『13歳からの世界征服』読了したのでネタ読み▽全寮制中高一貫校の君府(くんぷ)学院は、カリフ制の再興の為の人材を養成するために、天馬一族が作り上げた学校だった。しかし財政難で天馬家は没落し用務員へ格下げされ、現在は石造財閥が運営している。天馬愛紗(あいしゃ)が突然「世界制覇」を公約にかかげ生徒会長に就任してしまい、双子の兄、垂葉(たるは)は騒動に巻き込まれる▽始終キャラが「！」つけて喚くラノベは好きではない。田中君だけが癒し

2024/02/08

[Akihiro Nishio]

ネットで噂のイスラム学者が書いたラノベ。個人的にはラノベ初挑戦である。延々誰かがボケ続けるのに対して主人公が心の中でツッコミを入れるのがラノベ文体だと知った。ストーリーは、女子高生が生徒会長になった時カリフを名乗るという設定のみで、その後大富豪のお坊ちゃんの演劇を上演して終了。結局何がやりたかったかもわからない（著者解説には多少説明あり）。大人が読むには辛いが、イスラムに関する多くの知識が得られ若い人には面白いんじゃないか。ともかく、６０歳でラノベ文体を研究し、それを書いてみたというのが凄い。

2020/08/18

[ささやか@ケチャップマン]

学者執筆のイスラム教ライトノベルということで手に取ってみたが非常に残念な中身だった。まずライトノベルとしては何がしたいのか、というかしているのかさっぱりわからず、登場人物が妄想的にひたすら上滑りして騒いでいるだけで終わり、全く面白くなかった。そして本作はイスラム教のカリフ（ざっくり説明するとイスラム教の最高指導者）が軸になってくるわけだが、その説明も曖昧模糊な上、そもそも前提たるイスラム教への説明がほぼ皆無で、私はこのラノベを読んでも全くイスラム教について知識を得られることはできなかった。二重の意味で残念

2020/10/25

[牛タン]

カリフ制宣伝ラノベ。ラノベ自体はネタなのでコメントしづらいが、その根本にはクルアーンやハディースなどのテキストの解釈は開かれているべきという思想が感じられた。ハサン氏は伝統的なイスラーム法学を学び、教えてきた一方で、個人の趣向としてはラディカルな思想に近いという葛藤を抱えてきたのだろうなと想像した。言動が奇怪で誤解されまくってるが結局どこのグループも支持していないし、むしろ未開の地の日本の非ムスリムに非常に甘い。全てに斜に構えてみるけど、なんだかんだで何者も否定しきれない、屈折した心のインテリなのかな

2020/07/19

[akashiochang]

なんていうか、全部読んで逆にイスラーム何もわからん状態になるのがよい。伏線はあってなかったような感じだし、設定は荒唐無稽だし登場人物にツッコミキャラが一人もいないし（主人公が一見そうっぽいけど読むうちに違うわコレとなる）。小説としてはめちゃくちゃだけど読後感は昔の哲学書のようで味わい深い。 とりあえずバクラヴァが食べたくなりました。

2021/01/25