出版社内容情報
常識的な問いと答えを捨ててどうでもよさそうなことから考えをはじめる『真贋』、言語について最後までその考えを推し進めようとした『日本語のゆくえ』、最後の連載となった食についてのエッセイ集『開店休業』など、2007年から亡くなるまでに発表された評論・エッセイを収録する。また、著者の書斎などに遺された原稿を「遺留原稿」として多数収録する。
月報は松崎之貞氏(編集者)が執筆。第37回配本。
目次
1 真贋
2 日本語のゆくえ
3 開店休業
4
5
6 [補遺]
7 [遺留原稿]
感想・レビュー
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みーあ
1
★4 初吉本隆明。526頁『戦争に負けたとき、僕はまだ「日本政府は勝手に戦争を始めておいて、勝手にやめるとは何事だ。むしろ前のめりに倒れるまで戦うべきだ」と思っていたんです。しかし占領後の世の中を見るうち、どうも俺は間違っていたぞ、これは青年時代を全て考え直すべきかもしれない、と軟弱化した。この、戦時中の自分と、戦後の自分との矛盾を納得したいというのが、ぼくの原点です。そのために、日本と言う国のあり方や、自分自身、家族について考え続けてきた…戦争は、どんな戦争でもそれ自体が「悪」だというのが、僕の考え方2025/04/29