内容説明
方向音痴でないあの人は地図から何を読み取っているのか。タモリ倶楽部、アウト×デラックス等でもおなじみ、実在しない架空の都市の地図を描き続ける鬼才「地理人」が、地図を感覚的に把握するための技術をわかりやすく丁寧に紹介。オールカラー図解。
目次
点と線でつかむ土地勘(体になじむ地図をみつける;身近な場所の大きさを地図で見る;地図上の長さと距離の体感をつなげる)
面でつかむ土地勘(道路模様から地形と密度を想像する;新しい道と古い道 沿道の新旧を比べて見る;地図模様から生活感と歴史を想像する)
土地勘から都市勘へ(都市の発達と成長・年輪を読み解く;街の賑わいを決める 人口、地形、集散;街は動く?街の移動と過去、今、未来)
都市・社会を映す地図(地図表現の特徴と都市地図の変化)
著者等紹介
今和泉隆行[イマイズミタカユキ]
1985年生まれ、通称「地理人」。7歳の頃から空想地図(実在しない都市の地図)を描き、大学生時代に47都道府県300都市を回って全国の土地勘をつける。ゼンリンメールマガジンや日経ビジネス等で、都市や地図の読み解き方を中心に執筆中。その他、ワークショップや研修、テレビドラマの地理監修・地図製作にも携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
75
方向音痴だが、地図を使う必要性が出てきたので 「どうしたものか・・・」と悩んでいた時に見つけた本でした。地図の比較や特徴を読み解くことでその土地が如何に変化してきたのかが分かってくる。私は今まで都市の歴史や変化は実際、その土地に行って歩いてみなければ分からないと思っていました。そのため、作者の「地図から歴史を読み解く」という視点は新鮮。宅地開発で等高線がなくなっても路地の形でどのような傾斜があるかやその街の中心点の見つけ方が分かるなど、知らなかった事ばかりなので読後、地図をじっと見たい気持ちに駆られる。2019/08/12
yutaro13
43
個別には面白いトピックもあるが、レビューでの評価が高かっただけにちょっと期待しすぎだったかも。駅と中心地の関係を紐解く章では様々な都市が比較されていて興味深いが、ここでの地図の色付けは著者が行ったもの。適切に色付けするには地図そのものを見るだけでは無理なのではないかと思う。Googleマップばかり見ていて普段は目にしない都市地図(旺文社の街の達人)も面白そうだと思えたのは収穫か。そんな私は旺文社の『東京23区凸凹地図』を買ったばかり。本書の主旨と異なり地形重視だが、自分なりに地図を楽しみたいと思う。2021/04/30
たかしくん。
30
今和泉さんの地図愛が、ぎっしりと詰まった本!恥ずかしながらも、私も、小さい頃は妄想地図を書くのが好きでした。私の場合は、そこに鉄道の路線図を書いて、それに、県庁所在地とか観光地、ニュータウン等を置いていく。今でもその妄想地図は、私の中の頭の中で生きてます。それもあって、45ページに載っている「違和感のある空想地図」、これ、よく分かります!!2019/09/16
たばかる
30
宣伝文句の通り、平面図の地図から立体的な街の形を想像することの手法についてまとめてあり、興味を誘われた。著者今和泉隆行は空想地図も手掛けている「地理人」を自称するだけあって日本事情に詳しいことがわかる。例えば都市開発の順序について関東大震災後/高度経済成長期/その後ニュータウン時期 としてそれぞれの特徴を道路の大きさ、寺社の存在、駅やICを基に地図の中に見出す。また、佐世保市と長崎市を比較して、中心部の地形的な差異が道路や街の発展模様に影響を与えていることの例などを示して様々な地図へのアプローチを勧める。2019/07/24
yyrn
28
地図は時代を映す鏡だ。様々なことを教えてくれる。よく地図が読めない人の話を聞くが、それは私が楽譜を読めないようなモノで、全くもったいない話だが、その地図を読むためのヒントを色々教えてくれる本。特に都市地図の読み方なので生活に直結しており、ピンと来る話が多い。スマホにグーグル・マップがあれば十分だと思っていたが、紙地図の有用性(ひと目でわかる情報量とデザイン性)も教わった。デジタル活用では、よく知っている場所と初めて行く場所を同じ縮尺で並べて距離感や規模感を認識する方法は良いアイデアだ。早速、真似てみよう。2019/05/12