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内容説明
ひとは一生の間、一度も病気にならないことはありえません。ひとは必ず病気になって、死ぬんです。だとすれば、病気の成り立ちをよく知って、病気とぼちぼちつきあって生きるほうがいい。書評サイト「HONZ」でもおなじみ、大阪大学医学部で教鞭をとる著者が、学生相手に行っている「病理学総論」の内容を、「近所のおっちゃん・おばちゃん」に読ませるつもりで書き下ろした、おもしろ病理学講義。しょもない雑談をかましながら病気のしくみを笑いとともに解説する、極上の知的エンターテインメント。
目次
序章 病理学ってなに?
第1章 負けるな!細胞たち―細胞の損傷・適応、死
第2章 さらさらと流れよ血液―血行動態の異常、貧血、血栓症、ショック
インターミッション 分子生物学の基礎知識+α
第3章 「病の皇帝」がん総論編―その成り立ち
第4章 「病の皇帝」がん各論編―さまざまな進化
著者等紹介
仲野徹[ナカノトオル]
1957年、「主婦の店ダイエー」と同じ年に同じ街(大阪市旭区千林)に生まれる。大阪大学医学部医学科卒業後、内科医から研究の道へ。ドイツ留学、京都大学医学部講師、大阪大学・微生物病研究所教授を経て、大阪大学大学院・医学系研究科・病理学の教授に。専門は「いろんな細胞がどうやってできてくるのだろうか」学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
99
病気のメカニズムという難しいことを優しい言葉で解りやすく説いてくれます。読み始めてすぐに知的好奇心をくすぐられ、一気に読み進めました。難しいことを難しく言うことは簡単ですが、誰にでも解るように面白おかしく説明くださったことにたいへん感謝します。 人はだれでも病気になって死んでいきます(健康な細胞と比べれば老いも細胞の病気の一種です)。であれば、病気の成り立ち(原因と経過)を知って、恐がらずに上手く病気とつきあって生きていくのが良いと思います。そういう意味で、この本は必読に値すると思います。2019/01/10
どんぐり
72
大阪大学の人気教授が細胞レベルでの肥大・過形成・萎縮・化生や、血行動態の異常、貧血、血栓症、ショック、がんの仕組みなど病理学の難しい講義内容を素人でもわかるように書いてある。本書の半分を占めるのが、「病の皇帝」のがんの話。医療の似非情報に惑わされないためにも、がんの成り立ちや進展の仕組みくらいは知っておきたい。脱線話のトリビアもあって面白い。2018/01/05
舟江
61
健康に興味のある方にお薦め。体の仕組みを理解するのには、読みやすい本だった。しかし、私にとって後半の「がん」の記述は不要であった。2018/08/10
Cambel
53
面白かったので、買ってすぐに読めばよかった。やっぱりサイエンス系は旬を逃したくない。医学に触れない人にはほんの少し頑張りが必要かもしれないけど、日本人の半分はがんに罹る。読み物として楽しく描かれているので、全部理解しようと頑張るのではなく、流れをぼんやりわかれば、がんになった時に学び直せる。そしてその時の最新治療(標準療法)を理解して、主治医任せじゃない治療戦略を立てられるんじゃないかと思う。2024/03/10
trazom
52
軽妙な語り口で「病理学」を語った本で、とても楽しく勉強になる。「病理学ってなに?」から始まって、「細胞」「血液」が詳しく述べられる。「分子生物学の基礎知識+α」というインターミッションでは、DNA、遺伝子、ゲノムと染色体、セントラル・ドグマ、突然変異など、現代の分子生物学の基礎となる事項が丁寧に解説されていて有難い。ガンについての後半2章も納得。「近所のおっちゃん・おばちゃんに読ませるつもりで」という著者の思惑は、流石に難しい気がするが、現代の生物学・病理学が到達している地点の高さを実感できる良書である。2017/11/21