アラー世代―イスラム過激派から若者たちを取り戻すために

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794969453
  • NDC分類 167
  • Cコード C0036

出版社内容情報

●若者たちは、なぜジハードに走るのか?

ドイツで移民の背景をもつ若者たちがイスラム過激主義に染まり、ISに参加するためにシリアへと向かう――。何が彼らを駆り立てるのか? イスラム教にテロの責任はあるのか? 彼らを引き止めるために、私たちに何ができるのか? 自らもかつて過激主義に染まり、そこから脱却した経験をもつ著者が、若者たちをジハードに引き込むサラフィストの手口を心理学的に分析し、予防と脱過激化の方法を提唱する。

第一章 アラー世代
 私たちが今すぐにはたらきかけなければならない若者たち
 氷山の一角にすぎないのか?
 私はどうやってイスラム原理主義者になったのか

第二章 過激主義の誘惑
 我が家の食卓の見知らぬ人――子どもたちが過激化するとき
 過激化の諸原因
 ムスリムの責任
 サラフィストのほうが優れたソーシャルワーカーであるわけ
 過激派がみなシリアに上陸するわけではない――急進的な若者の三つのケース

第三章 予防、そして過激主義からの脱却――いますぐに!
 全面的な機能不全
 「私たち―君たち」という議論をやめよう
 学校のあり方を変える――新しいソーシャルワークと教育
 見栄えのよい冊子とキャンドル・ビジルでは問題は解決しない
 すべてが手遅れでも、まだ残されていること――脱過激化

第四章 社会の盲点に対抗して 一〇の具体的な提案

補遺 ヘレナの物語――個々人を助けるための戦いは、なぜ価値があるのか

アフマド・マンスール[アフマド マンスール]
アフマド・マンスール(Ahmad Mansour)
1976年生まれ、アラブ系イスラエル人。2004年からベルリン在住。心理学者、ソーシャルワーカーとして、イスラム過激主義に傾く若者たちの救済や、その家族への支援活動をおこなっている。反過激主義プロジェクト「HEROES――名誉の名のもとになされる抑圧に抗し、権利の平等を守るために」、脱過激化の相談窓口「HAYAT」に参加。ヨーロッパ民主主義財団(EFD)のプログラム・ディレクターでもある。それらの活動に対し、モーゼス・メンデルスゾーン賞(2014年)、ヨーゼフ・ノイベルガー賞(2015年)、カール・フォン・オシエツキー賞(2016年)を受賞。本書が初の単著となる。

高本教之[タカモトノリユキ]
高本教之(たかもと・のりゆき)
1968年生まれ。首都大学東京助教。共訳書にヴォルフガング・シヴェルブシュ『敗北の文化――敗戦トラウマ・回復・再生』(法政大学出版局)など。

犬飼彩乃[イヌカイアヤノ]
犬飼彩乃(いぬかい・あやの)
1977年生まれ。博士(文学)。首都大学東京助教。共訳書にライナー・エアリンガー『なぜウソをついちゃいけないの?――ゴットフリートおじさんの倫理教室』(KKベストセラーズ)。

由比俊行[ユイトシユキ]
由比俊行(ゆい・としゆき)
1976年生まれ。岡山大学准教授。共訳書にヴィンフリート・メニングハウス『吐き気――ある強烈な感覚の理論と歴史』(法政大学出版局)、多和田葉子編『カフカ ポケットマスターピース01』(集英社)。

早川文人[ハヤカワフミト]
早川文人(はやかわ・ふみと)
1975年生まれ。博士(文学)。金沢大学准教授。

平井敏雄[ヒライトシオ]
平井敏雄(ひらい・としお)
1971年生まれ。学習院大学ほか非常勤講師。共著書に『ドイツ語できちんと書いてみる 中級ドイツ語文法と作文』(三修社)。

荻原耕平[オギワラコウヘイ]
荻原耕平(おぎわら・こうへい)
1975年生まれ。首都大学東京非常勤講師。共著書に『独検対応 クラウンドイツ語単語1600』(三省堂)、『プロムナード やさしいドイツ語文法』(白水社)。共訳書にローマン&パトリック・ホッケ『「はてしない物語」事典――ミヒャエル・エンデのファンタージエン』(岩波書店)。

内容説明

ドイツで移民の背景をもつ若者たちがイスラム過激主義に染まり、ISに参加するためにシリアへと向かう―。何が彼らを駆り立てるのか?イスラム教にテロの責任はあるのか?彼らを引き止めるために、私たちに何ができるのか?自らもかつて過激主義に染まり、そこから脱却した経験をもつ著者が、若者たちをジハードに引き込むサラフィストの手口を心理学的に分析し、予防と脱過激化の方法を提唱する。

目次

第1章 アラー世代(私たちがいますぐにはたらきかけなければならない若者たち;氷山の一角にすぎないのか?;私はどうやってイスラム原理主義者になったのか)
第2章 過激主義の誘惑(我が家の食卓の見知らぬ人―子どもたちが過激化するとき;過激化の諸原因;ムスリムの責任;サラフィストの方が優れたソーシャルワーカーであるわけ;過激派がみなシリアに上陸するわけではない)
第3章 予防、そして過激主義からの脱却―いますぐに!(全面的な機能不全;「私たち―君たち」という議論をやめよう;学校のあり方を変える;見栄えのよい冊子とキャンドル・ビージルでは問題は解決しない)
第4章 社会の盲点に対抗して―一〇の具体的な提案

著者等紹介

マンスール,アフマド[マンスール,アフマド] [Mansour,Ahmad]
1976年生まれ、アラブ系イスラエル人。2004年からベルリン在住。心理学者、ソーシャルワーカーとして、イスラム過激主義に傾く若者たちの救済や、その家族への支援活動をおこなっている。反過激主義プロジェクト「HEROES―名誉の名のもとになされる抑圧に抗し、権利の平等を守るために」、脱過激化の相談窓口「HAYAT」に参加。ヨーロッパ民主主義財団(EFD)のプログラム・ディレクターでもある。それらの活動に対し、モーゼス・メンデルスゾーン賞(2014年)、ヨーゼフ・イノベルガー賞(2015年)、カール・フォン・オシエツキー賞(2016年)を受賞

高本教之[タカモトノリユキ]
1968年生まれ。首都大学東京助教

犬飼彩乃[イヌカイアヤノ]
1977年生まれ。博史(文学)。首都大学東京助教

由比俊行[ユイトシユキ]
1976年生まれ。岡山大学准教授

早川文人[ハヤカワフミト]
1975年生まれ。博士(文学)。金沢大学准教授

平井敏雄[ヒライトシオ]
1971年生まれ。学習院大学ほか非常勤講師

荻原耕平[オギワラコウヘイ]
1975年生まれ。首都大学東京非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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スー

19
筆者はアラブ系イスラエル人で目の前でテロが発生したのを切っ掛けにドイツに移住、自身が過激派に嵌まり脱した経験を活かして若者達を救う活動をしています。なぜドイツで生まれ育ちドイツ語も喋れてイスラム教から離れた生活しているのに過激派になってしまうのか?親のしつけが厳しく体罰や脅しで親への不信感、自信の喪失、将来を見失っていたところ優しく接し、理想の家族像、居場所、目的を与えてもらえる。若者を指導する大人や教師やイマームは無知、世間からズレてる等で若者の変化に困惑して機能せず信頼も得られない。2018/06/15

ののまる

13
真に迫る。「私」と「私以外」という白黒にしない、というのは、すべての基本だと思う。2017/09/22

BLACK無糖好き

13
著者はアラブ系イスラエル人、現在ドイツで心理学者・ソーシャルワーカーとしてイスラム過激主義に傾く若者を救う活動をしている。日々若者と向き合う中で、若者たちの間で価値観の変容が進んでいるが、ドイツの社会、学校教育、政治や行政の対応があまりにもお粗末で不十分だと言うのが著者の主張。著者自身もかつてイスラム原理主義に染まり、そこから離脱出来た経験があるだけにその点説得力がある。やはり政治に求められる役割は大きい、排外主義的なAfDの台頭など混沌とする状況ではあるが、実効性のある対応を期待したい。2017/01/23

エリナ松岡

10
ドイツでのイスラム過激派からの誘惑から若者達を護る活動をしている著者による、ケーススタディと活動のノウハウをまとめたものといった感じです。ちょっと前に日本国内の学校給食のハラル対応の是非についての議論がありましたが、そのような議論の前に幾つかの合理的、論理的意見の1つとして、本書を読んでおくといいのではないかと思います。また、イスラム過激派に限らず、あらゆる教条主義、原理主義対策に当てはまる話が多いので、教育に携わる方にはぜひ読んでいただきたいです。2017/02/17

星辺気楽

4
現代ドイツが抱えるイスラム過激思想に陥る移民の子供たちと真摯に向かいあいながら、時としてイスラム教の教義に敵対してしまいがちな民主主義、反差別主義を模索する渾身の一冊。日本の教育者や為政者も見るべき価値の高い一冊。2017/01/21

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