出版社内容情報
世界では約2億1500万人もの子どもが強制的に働かされています。本書は西アフリカのガーナでカカオを収穫している「そのこ」と、日本にいる「ぼく」との日常を描いた絵本。あたりまえのことができない「そのこ」たちに、できることってなんだろう。
内容説明
「ぼくたちは、いつまで働きつづけなければならないの…?家族は助けたいよ。でも、ほんとうは学校へ行きたいんだ。」遠く、ガーナに暮らす子どもたちの、その過酷な生活環境を想像してみることから、この物語ははじまります。
著者等紹介
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年東京生まれ。1952年に詩集『二十億光年の孤独』でデビュー。以後絵本、翻訳、脚本など幅広い分野で活躍する、現代を代表する詩人のひとり。おもな作品に読売文学賞を受賞した詩集『日々の地図』や『六十二のソネット』『21』など。翻訳書に日本翻訳文化賞の「マザー・グースのうた」や「ピーナッツ」のシリーズなど多数ある。2007年からACEのマンスリーサポーター
塚本やすし[ツカモトヤスシ]
1965年、東京生まれ。「ザ・チョイス」で長新太や吉田カツの審査で入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫綺
97
そのこは働く。子供は遊び、学ぶものなのに、そのこは働く。過酷な環境で・・・。とても考えさせられる絵本。2015/05/09
古古古古古米そっくりおじさん・寺
62
ガーナで朝から晩まで働く子供に想いを馳せた絵本。この絵は好きである。こういう子供の話を聞くと、谷川俊太郎の文章にある様に、親の稼いだお金でゲームを買う日本の子供がいかに恵まれているかを通り越して、唾棄すべき存在に思えてくる(私も単純である)。しかし幸せは唾棄すべきものではない。恵まれているという事に本人が痛みを感じるのは構わないが、必要以上に恥じる事はない。恵まれていようがいまいが、悩み苦しみは無くならない。アフリカの子供が日本の子供の水準になれば、日本の子供の悩みを悩むのだ。夢は叶えば終わる。2016/08/23
びわこっこ
47
「そのこ」は、アフリカ大陸のチョコ―レートのもとになるカカオ豆の生産地である、ガーナで学校へ通うこともできず、朝から晩まで働き続ける子どものことを指している。 日本の男の目から見た、「そのこ」を自分と比べて見ている。「そのこ」は、地球の上に張り巡らされた、お金という蜘蛛の巣にとらえられて、ちょうちょのようにもがいていると、谷川俊太郎さんは表現している。「そのこ」のために何ができるのか、と、この絵本を読む人に考えるよう、訴えかけている。2023/07/11
けんとまん1007
39
児童労働。谷川さんにとっては、絶対あってはいけないことだという思いが、ヒシヒシと伝わってくる。そして、塚本さんの絵がさらに、その思いを増幅して伝えてくれる。学ぶべき時に学ぶ機会すらなく、それどころか大人のために働かざるをえない状況。お手伝いというものとは、全く次元が違う事実。2014/06/28
てんちゃん
32
「子供なのに働かなくてはならなくて、学校に行けない子がいるんだよ。その子達のために何が出来るのか一緒に考えて。」というストレートなメッセージの本。谷川俊太郎さんのシンプルな文と塚本やすしさんの迫力ある絵のバランスが良い。本のそでの説明書きでACE(世界の子供を児童労働から守るための国際協力NGO)の存在を知りました。2018/11/13