出版社内容情報
千野隆司[チノ タカシ]
著・文・その他
内容説明
凶作のため高岡藩の米収穫高も例年の七割しかなく、藩財政がさらに困窮することが予想された。年貢を増やしてこの危機を乗り切ろうと図る江戸家老に反対した正紀は、正式に井上家に婿入りし、世継ぎとなったにもかかわらず、自ら新たな財源を探しに奔走する。ところが、そんな正紀の行動を面白く思わぬ者もいた―。好評シリーズ第二弾!
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京生まれ。國學院大學文学部文学科卒。出版社勤務を経て、90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
58
シリーズ2作目。高岡藩に婿入りした正紀は、尾張徳川家の血を引く婿を嫌がる家中の思惑や姫育ちの妻に難儀する日々。今回は塩の商いをめぐっての商人同士の争いと正紀を引きずりおろそうとする国家老との攻防が合わさり息もつかせぬ展開でした。ラストの茶室の場面の静けさが印象的です。2025/10/03
キャプテン
53
★★★☆☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1786年江戸時代─天明の大飢饉編その二】米を守る戦いの次は、「塩」を守る戦い。塩や砂糖は、現代でこそ簡単に手に入れられるが、この時代では重要な交易品であった。大飢饉により、「米」が高騰する最中、各藩の大名たちは米不足を補うための交易を模索していくのでござる。渦中の婿殿は、なかなかに扱いづらい妻に四苦八苦しながら仕事に励むのだが、見てて微笑ましかったでござる。いつの世にたいむすりっぷしても、やはり男は女子には敵わぬものでござるな。それもまた心地よいのだが。2018/01/15
baba
39
シリーズ2作目。いよいよ高岡藩に婿入りした正紀の生活が始まり、馴染みの面々と苦悩しながら次期藩主としての財源探し奔走する様が興味深い。冒頭の塩の話がそこに結びつくのかと納得する。難問を痛快に裁く正紀が妻をどう扱ってよいやら迷う様が微笑ましい。2018/02/07
はにこ
35
前回知り合いになった長兵衛さんと手を組んで塩の道を作る。またもや妨害にあい、大ピンチに!ハラハラドキドキしたー。今回で宿敵が居なくなったようだけど、次はどうなるのだろう。姉さん女房、京の扱いに齷齪している正紀がちょっと可愛い。何だかんだ良い夫婦になりそうね。2020/08/07
外枠発走
32
シリーズ第二弾。若き藩主の苦悩や活躍を描いた物語。小藩の財政たて直しのため、塩を運び込む河岸を作る。もちろん妨害がある。下総高岡藩は、江戸に近いこともあり、物語の世界がコンパクトで読みやすかった。読者層を考えると、長く受け入れられる理由だと感じた。短くも小説に求められる要素は全て入っている。ダサかっこいい題名も自分は気に入っている。飽きるまで、シリーズを手に取ってみたい。2023/08/04
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