内容説明
憲法は国民が恐怖や不安を感じないで暮らすための「安全の保障」です。日本国憲法は敗戦という特殊な環境でつくられたからこそ、「9条」をはじめ、世界に例をみないほど国民を守る憲法となっています。GHQ民政局の職員として憲法の草案作りに参画し、「女性の権利」(第24条)を書いたベアテ・シロタ・ゴードン(当時22歳)に日本国憲法誕生の舞台裏と、日本女性に寄せる熱い想いを聞く。戦後60年、改憲議論が大きく浮上したいま、日本の女性たちはほんとうに幸せになったか。
目次
第1章 「女性の権利」を書いた頃
第2章 憲法は戦争が生んだ真珠
第3章 パンドラの箱を開けてはいけない
第4章 戦争の現実―九条と自衛隊
第5章 日本女性は幸せになったか
第6章 平和のため世界をアートで結ぶ
著者等紹介
シロタ・ゴードン,ベアテ[シロタゴードン,ベアテ][Sirota Gordon,Beate]
1923年ウイーンに生まれる。5歳のとき、天才ピアニストと謳われた父レオ・シロタ、母オーギュスティンと共に来日。39年ミルズ・カレッジ留学のため渡米。在学中に開戦となり、18歳で自立を余儀なくされる。45年日本の敗戦に伴い、両親を探しにGHQ民政局の職員として再来日。日本国憲法の草案づくりに参画することになり、「女性の権利」(第24条)にかかわる条項を執筆する。54年からジャパン・ソサエティ、60年からはアジア・ソサエティを兼務し、パフォーマンス部長として活躍。1997年度エイボン女性大賞受賞。ニューヨーク在住
村山アツ子[ムラヤマアツコ]
東京生まれ。津田塾大学英文学部在学中から国際文化会館企画部に勤務。卒業後、アントニン・レーモンド建築事務所駐在のチーフデザイナーと結婚してニューヨークへ移住。デザイン、建築関係の事務所で働く。コロンビア大学で教育哲学の修士号取得後、東京銀行ニューヨーク支店に勤務。1985年に独立して、Murayama Fine Artを設立。以降、現代アートのディーラーとして画廊経営、版画制作や展覧会企画のコーディネートを手がける。近年は日本人女性作家の海外紹介を重点的に行なっている
高見澤たか子[タカミザワタカコ]
東京生まれ。1958年早稲田大学文学部を卒業。ノンフィクション作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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