内容説明
富豪ロスチャイルドが巨額の懸賞金をかけて探したが見つからなかった稀覯書が九州の古本屋にあらわれた(「悪魔祈祷書」)。不遇のまま逝った学者の義兄が遺したのは厖大な専門書の山だった(「本の話」)。万引きされた本を返しにきた女子学生にひかれる若い古本店主(「本盗人」)。書物の達人が、本を主題とする知られざる名作、かくれた傑作を発掘する待望のアンソロジー。
著者等紹介
紀田順一郎[キダジュンイチロウ]
1935年横浜市に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒業。書物論、情報論を中心に評論活動をおこなう。ミステリーなどの創作活動も手がける
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2024/04/15
keroppi
1
古書をテーマにしたアンソロジー。「ビブリア古書堂の事件手帖」「書楼弔堂」だけじゃない、本は、もっと面白い。夢野久作と宮部みゆきの短篇が特に好きだった。2014/06/04
N.K
1
紀田順一郎先生による、古本を題材とした短編作品の選書。古本をテーマに、人間関係のドラマや、書物狂の心理、古本屋の商売など、様々なタイプの話が集められています。個人的に古本題材といえば せどり や稀覯本を主軸に据えたものが好きなので、最後の「展覧会の客」や「嗤い声」が好きです。それに、「古書狩り」「歪んだ鏡」といった、本を通じた思いがけない出会いも、羨ましくて好きですね。次は海外編を読み始めます。2014/02/02
くら
1
■収録作品…「悪魔祈禱書」夢野久作、「煙」島木健作、「本の話」由起しげ子、「本盗人」野呂邦暢、「楽しい厄日」出久根達郎、「古書狩り」横田順彌、「歪んだ鏡」宮部みゆき、「嗤い声」稲毛恍、「展覧会の客」紀田順一郎 ■感想…本にまつわる物語集。書かれた年代順に並んでいるらしい。特別心に残るほどの面白い話はなかった。逆に由起しげ子「本の話」は心に残るほど嫌いだった。2009/08/16
shizuka
0
古いものは1940年代のものから現代のものまで、古書にまつわるアンソロジー。「本」をテーマにした作品が多く出るようになったのは最近かと勝手に思っていたが、そうじゃあなかった。本好きが本の話を好んで読むのは、今に始まったことじゃないよね。2017/01/07