「新しい家族」のつくりかた

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794965813
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0036

内容説明

著者は語る。―渋谷をさまよう少女たちをみつめて。気になるのは、性の市場価値として自分にいとも簡単に誘惑されてしまう少女たちの問題である。自分が自分に負けている。―長崎の幼児誘拐殺人事件を耳にして。直感的にこの少年は、自分のことがきらいな子どもの一人であると思った。自分のことが好きであれば、理由もなく人を攻撃するといったふるまいに出ようなどという発想は生まれようがないからだ。―12歳の性と死を前にして、こう思う。自分への信頼が欠如しているに違いない。自分は自分であっていいという自己への信頼が培われるためには、“いまここに・安心して安全に安定的に・自分が自分としてある”ことをしっかりと保証された体験を不可欠とする。いうまでもなくそのような体験を保証するのが大人である。12歳は、自己をあずけうる、そのような信頼できる大人に出会ってきていないのではないか。著者は問う。この現実を前に、家族は何をなしえるというのか。それとも無力なのだろうか。

目次

見えぬ「自己への信頼」―十二歳の性と死
自分を嫌いな子どもたち
“いい子”が抱く激しい憎しみ―長崎男児誘拐殺人事件
長崎少年事件に見る子どもと親の罪と罰
オウム・阪神大震災以後の子ども像
子どもたちの「死との戯れ」
「いい子」の生き難さについて
居場所について
世界と自分を破壊しないために―WHOLEとTOTAL
“母”のいる場所
教育という魔―事件を通して見た家族
「新しい家族」のはじまり

著者等紹介

芹沢俊介[セリザワシュンスケ]
1942年、東京に生まれる。上智大学卒。評論家。教育、家族、少年問題などを、既存のスタイルにとらわれることなく論じ続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寛生

9
「家族」というコンセプトは「結婚」や「性」と切り離すことはできないことは承知の上だが、もし「家族」というもの自体を解体していく、脱構築していくならば、この本はその手がかりとなりうるのではないだろうか。いわゆる「社会」の中にいても、その「社会」の一員となり貢献できうることのできない人間にとって、「家族」ほど息苦しいものはない。その反面、その社会のなかでの『家族構成』は言語体系と密接につながっている。しかし、評論家や哲学者は、まさに芹沢さんが、この本の最後に「家族を〈外〉から見ている」ように、家族の外に投げ出2012/11/24

すっち

1
戦後から2000年代までの青少年犯罪などを事例にとって家族の形態変化について説明している。本書の主旨が最終章にまとめられているが、その部分とそれ以前の章とで若干独立性が強いと感じた。前半の事例が長すぎて結構だらだらしてる感が否めなかった。2014/05/20

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