内容説明
古本屋さんは、過去と未来の、ちょうど狭間に立っている。そこからは、人から人へ受け継がれてきた古本も、いつか店頭に並ぶ未来の古本も、等しく見わたすことができるのだ。そんな過去と未来の古本が一同に会した。一番古い印刷物・百万塔とCDブック。ハリー・ポッターと桃太郎、どちらが残るの?平家納経は究極のオンデマンド本だった。コンビニコミックは未来の黄表紙?過去に内包された新鮮さと、どこか懐かしい未来―。時間軸を旅するように、書物の海へ漕ぎ出してみよう。坪内祐三、恩田陸ほか、エッセイも収録。
目次
「用の美」今昔―工芸×無印の本
ファンタジーはベストセラー―桃太郎絵詞×ハリー・ポッターと賢者の石
この情熱って、いったい!?―掃苔×秘見仏伝記
永遠のモガたち―モダン・ガール物語×今宵も、ひらすら一生けんめい
ニセモノはおもしろい―春峯庵華宝集×贋物漫遊記
世の中をかき回せ!―滑稽独演説×泡沫桀人列伝
「ご要望に応えます」―平家納経×明治新聞雑誌文庫の思い出
スタンプ人物画の元祖?―御旗本備作法×何もそこまで
女流は革新―みだれ髪×サラダ記念日
観察という高等遊技―モデルノロヂオ考現学×TOKYO STYLE〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
35
東京古書組合編。2003年出版で、ネット環境や古書状況は当時のものながら、非常に面白い企画でした。見開きの左右にタグの共通する新旧本の写真をドカンと載せたビジュアル頁と古書に縁の深い17人のエッセイを収録。たとえば、桃太郎絵詞(江戸後期)と「ハリー・ポッター」、「解体新書」と「輪切り図鑑」(絵本)、日本が始めて参加したパリ万博と大阪万博の記録を並べたりと、新旧対比の妙を楽しみました。恩田陸氏のエッセイに『ふしぎな虫たちの国』『ポケットの中の赤ちゃん』などと古書店頭で出会いたいとあり、親近感を覚えました。2021/08/31
馬場貴生
2
新書が横のラインだとすると、古書は縦のライン。これは時間軸になる。「本好き」を名乗るならば、両方の軸を網羅すべきなのか。2010/11/08
きゆやすか
1
古本版新旧対戦といったところ。2011/06/21
mustang
0
新旧で本が紹介される。美しい本。2014/10/04