内容説明
自由恋愛と離婚の成立は同時代の産物―。19世紀の初め、ドイツ・ロマン派を代表する詩人ブレンターノは16歳の娘アウグステと恋に落ちた。ふたりは駈け落ちして結婚したもののたちまち大喧嘩、すったもんだのすえ離婚する。それから25年後、再婚して子どもに恵まれ幸せだったはずのアウグステに何が起きたのか?激しい恋のてんまつを関係者たちの213通の手紙で再現。「常軌を逸したヒステリー女」とらく印された娘は、じつは現代的愛の発明者だった―。歴史の闇に埋もれた真実をあかし、愛が失われる経験の意味を問う感動の文学的ノンフィクション。
著者等紹介
エンツェンスベルガー,H.M.[Enzensberger,Hans Magnus]
1929年生まれ。戦後ドイツを代表する詩人・作家・批評家。資料に語らせることで歴史の見えざる一面をよみがえらせる手腕に定評がある。子ども向きの著作も多く、『数の悪魔』(邦訳、晶文社)は世界的ベストセラーになった。著書に『政治と犯罪』『タイタニック沈没』『ヨーロッパ半島』『ドイツはどこへ行く?』『スペインの短い夏』(邦訳いずれも晶文社)、共著に『エスターハージー王子の冒険』(評論社)などがある
川西芙沙[カワニシフサ]
東京都生まれ。早稲田大学文学部ドイツ文学科卒業。柴又帝釈天ルンビニー幼稚園顧問、日本国際児童図書評議会理事、朝日カルチャーセンター講師、芸術教育研究所特別研究員などを務める。2000年5月に上野に開館した国立国際子ども図書館の設立運動に当初より参加、児童の読書推進をひろく実践している。著書に『ドイツ・おもちゃの国の物語』(東京書籍)、『絵本のちから』(大和出版)など。訳書にエンデ『いたずらっ子の本』『魔法のカクテル』(岩波書店)、ネストリンガー『のっぽのミニシリーズ』(全6巻、くもん出版)、マルグレート/ロルフ=レテイヒ『はじめてのぼうけん』(偕成社)など
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星落秋風五丈原