橋浦泰雄伝―柳田学の大いなる伴走者

橋浦泰雄伝―柳田学の大いなる伴走者

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  • サイズ B6判/ページ数 228,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794964304
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0039

内容説明

柳田国男の民俗学を全国的な民間学に組織し、同時にマルクス主義者であり、画家でもあった橋浦泰雄。戦後、いち早く生活協同組合を創った人でもある。信州に散在する道祖神の広がりを調べ、五島の珍しい正月行事を記録し、初めて、太地町の捕鯨史を明らかにした。歴史上の様々な場面に顔をのぞかせるが、その全体像が描かれることはなかった。こんな忘れられた一人の日本人に迫る。橋浦家に残された柳田や作家・尾崎翠などからの膨大な手紙をひもときながら、橋浦の足跡をたどる異色なノンフィクション。

目次

第1部 組織者の形成(橋浦家の人々;郷党の仲間たち;彷徨と邂逅 ほか)
第2部 橋浦泰雄の民俗学(柳田国男との出会い;学界対立のはざまで;ナップ結成 ほか)
第3部 戦後の活動(戦後共産党員として;実践的民俗学の試み;後景にしりぞく)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

13
柳田国男が始めた民俗学を全国的に組織化しながら、コミュニストとしても活動を続け、画業(似顔絵、日本画や装丁など)で生計を立て、戦後生活協同組合の名付け親となった人物の評伝。クロポトキン『相互扶助論』に思想的基盤を置き、柳田の"総説"という方法を篤実に実践し続け、思想の左右を問わず自身の活動で出会った人々と切れ目なく誠実に交流を続けた円満・質素で粘り強いその人生が活写されてゆくとても良い本である。彼が若い頃に続けた有島武郎との7年ほどの密な影響関係は、わが国の近代文学に関心をもつ読者の興味を引くに違いない。2019/12/30

ホンドテン

0
図書館で。宮本と同じように岡正雄のようなアカデミズムを出自としない、おそらく学会でも忘れられた在野の民俗学研究者の人生。他書でもそうだが副題の通り柳田の第一の門人でありながら、彼との交流は少なめ。印象に残るのは、(原始)社会主義への傾倒の履歴や郷里との交友であり、彼の研究の骨格に強く作用しているようにも読める。実際そうなのだろう。だからこそ国粋主義への嫌悪を隠さない柳田との信頼関係を構築される。佐野(1996)の柳田像とは違うな、当然。戦後のその研鑽の成果が「コーヴ」で悪役として描かれた和歌山、太地の捕鯨2015/11/08

iwasabi47

0
自伝を合わせて読む方がいいか。エキセントリックな人ではない。2020/11/23

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