内容説明
美空ひばりは輝き、元気な田中角栄がいた。ハイセイコーは駆け抜け、空中にはケサラン・パサランがただよっていた。両手に『平凡パンチ』と『朝日ジャーナル』があった時代…。このところ、人から尊敬されたがる人が目立って多い。困ったものだ。客に楽しんでもらうことに一生懸命だった、あの林家三平が懐かしい―。辛口コラムが、なくなったものをよみがえらす。
目次
1 もの(蒸気機関車C57135;ケサラン・パサラン;歌声喫茶「灯」 ほか)
2 ひと(吉田健一さん;エルビス・プレスリー;向坂逸郎さん ほか)
3 世間(ジブンハホズミカズオ;映画「エマニエル夫人」;ハイセイコー ほか)
4 こんなものいらない(ブックカバー;500円硬貨;電話“オルゴール” ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のんき
2
平成になって20年も経ってみると、「昭和」そのものがもうなくなってるなぁと思ったりもするのだけれど、本書は主にその昭和の時代においてなくなりゆくものについて書かれたコラム集。読んでいてタイムマシンに乗っているような心地がした。途中、唐突にフィクションの一編が掲載されていて、ストーリーのばかばかしさに唖然とするも、そのばかばかしさが痛烈な批判になっているところが一番印象に残った。2009/10/29
がんぞ
0
週刊朝日だけに偉そーな口ぶり。ハイセイコー(褒めても差し支えない国産ヒーロー)、ベルリンの壁(崩壊したのは社会主義=経済原理でなく命令で人を動かそうとする虚妄。{中共、北鮮の学生がワルシャワ工科大学で学び、祖国に帰り原爆を作ったのだろう})、青函連絡船(日本のトンネル技術は社会主義国を凌駕)、吉田健一(については「親の七光を峻拒した」「健康のための人生ではなく、食欲に忠実だった」と評価)‥。最後の方に五百円札がコインになったことをとりあげ「後から出た韓国の500ウォンがそっくりで話題に」無礼このうえ無い筈2016/08/13