内容説明
なぜインフォームド・コンセントが必要なのか―何人もの末期がん患者を看取ったひとりの医者が、日々の体験のなかで考えた。「とにかく痛みを取ってほしい」「家に帰って死にたい」…患者ひとりひとりの声を、医者として、どう受けとめたらいいのか。そして、母をがんで亡くす。はじめてわかる患者の家族の気持ち。不安と迷い―。医療とは病気を治すことだけでおわるものなのか?医者は患者に何ができるのか?試行錯誤をくりかえしながら、両者のよりよき関係を模索する、真摯で切実な記録。
目次
1 患者と医者の関係(「ムンテラ」とはなにか?;院内紹介の重み;治療方法が決められない ほか)
2 インフォームド・コンセント(ICとはなにか?;患者と医者のことばのズレ;信頼関係をつくるには? ほか)
3 母の死と終末医療(末期がんのケア;医者の腕;母が「がん」になった ほか)