内容説明
柳田国男。南方熊楠。折口信夫。吉田東伍。中村十作。笹森儀助。明治から昭和にかけて、既成の知識に縛られず、自分で自分の道を切り拓いた巨人たち。彼らは何よりも「お仕着せ」を嫌い、誇りをもって独りで学び、独自に行動した。強烈な光を放つこの6つの個性は、いかにして生まれたのか。在野の民俗学の第一人者が、彼らのライフヒストリーを通しておおらかに語る「独学のすすめ」。
目次
南方熊楠
柳田国男
折口信夫
吉田東伍
中村十作
笹森儀助
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
3
柳田國男、南方熊楠、折口信夫、みんな独学。さらには、あとがきに出ている宮本常一も、この谷川健一さんも。オリジナルな問題を考えるためには独学である必要があって、さらに、その陥りがちな独りよがりを、普通の人々を師とすることで防ぐ。真剣に作り上げた仮説を普通の年よりの「ちがう」の一言でまた組みあげ直す、その一節がすばらしかった。吉田東伍ら他の3人の話もよかった。2011/10/18
讃壽鐵朗
2
民俗学に関する参考書2021/10/16
もりけい
2
民俗学者5人の巨人を例にどのように考え行動したかを紹介。自分の道は自分でつくる。5人ともこの心構えがある。誰かのお仕着せの道を辿ったりしなければそこは独学の道に通じる。2015/02/15
志村真幸
1
1985-96年に書かれた10篇の文章を一冊にまとめたもの。 はじめから独学をテーマとしていたというよりは、結果として共通する切り口にとなったという印象だ。 とりあげられているのは、南方熊楠、柳田国男、折口信夫の民俗学者。地理学の吉田東伍。沖縄の人権問題に関った中村十作と笹森義助。 いずれも独学のひととして描かれているのだが、独学があまりにも理想化されており、いささか思い入れが強すぎるように感じた。 いま読むと、情報や分析もだいぶ甘いと思う。 2024/01/12
meg
0
とても刺激を受けた。面白かった。2022/10/14