内容説明
世界中から惜しみなくその才能を讃えられるイランの巨匠、アッバス・キアロスタミ。素人を起用し、ごく小さな出来事から紡ぎだす、あまりに豊饒な物語…。彼の映画はいかにしてつくられるのか。自然な表現を導く術。繊細な音と絵づくり。瑞々しい秀作『友だちのうちはどこ』の製作ノートから、その映画術をたどる。書下ろしエッセイ、彼が尊敬と共感をよせてやまない黒沢明監督との貴重なダイアローグも収録。すぐれた作品を生みだす思想と方法を、あざやかに解きあかす。キアロスタミ映画のすべてを世界で初めて明かす一冊。撮影風景、シナリオ、フィルモグラフィなど豊富なデータを付す。
目次
1 友だちのうちはどこ?製作ノート(最初のリハーサル 「想像してみて」は通用しない;2 両親の反対 小さな大スター、アハマッドプール兄弟;3 雲、風、雨、太陽 テントと雨降らし機が登場する;4 ためらい デファイ先生、先生を演じる ほか)
2 キアロスタミの世界(ソフィア・ローレンから『甘い生活』へ;ふたりのA・K 黒沢明とアッバス・キアロスタミとのダイアローグ;ある旅行者)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュースの素
1
この監督の映画はその時のイランを物凄く表している。 時代や庶民の暮らし、男女差、政治のあり方も。 学校に通うのは男子ばかり。大人は子供の毎日などに興味なく生活に追われてる。 俳優として一般人を使おうとも、別人になり変わる事が出来なくて、一つのセリフにも何時間もかかる。このようにして彼の素晴らしい映画は作られていたんだ。2024/09/30
味噌漬の味
1
これは映画『友だちのうちはどこ?』を観たら絶対に読むべき本です!撮影秘話が半分以上ですが、「こんなふうに撮ってたんだ!」という発見がたくさん。でも「カラクリを知ってしまってちょっと興ざめ・・・」なんていうことにはおそらくならないでしょう。それは、映画を撮っているチームの、良いものを作ろうという熱気がすごく伝わってくるからだと思います。素晴らしい本です。2012/09/22
samehada13
0
読み終わった日:1998年10月13日1998/10/13