内容説明
年少の頃から乱歩の身近にいた著者による書き下ろし長編評論。大正12年、処女作「二銭銅貨」発表以後、乱歩の作品は日本の探偵小説=推理小説の歴史そのものであった。巨匠の素顔を伝える興味深いエピソードを交えつつ、乱歩の仕事の意味を明らかにする。
目次
第1章 新進探偵作家乱歩
第2章 長編作家としての乱歩
第3章 放浪生活の後で
第4章 「虚名、愈々高く…」
第5章 戦後の乱歩
第6章 怪人20面相対明智小五郎
第7章 トリックの狩人
第8章 代作問題について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
屋根裏の散歩者
4
怪談師匠から下賜された本。乱歩の甥っ子にあたる松村喜雄氏から見た乱歩が書かれているんだけど、面白かった〜‼乱歩スキーじゃない人には退屈かもだけど、好きな人には必読の一冊!今まで知らなかった乱歩の一面が垣間見えて興味深い。密室トリックがお得意だったくせに、怖くて一人でエレベーターに乗れないとか、外食に行くと頼むのは毎回玉子丼とかwww一見ど〜でもよさそうなことでも、乱歩スキーにとってはどれも貴重な情報であります!そしてこれを読んで一番印象に残ったこと→ファンの方には申し訳ないけども、谷崎潤一郎はマジで何様⁉2013/09/09
しぐれ
1
メモ 二十面相の成功理由 作品演出2013/12/08
紅藍
0
乱歩の血族から見た乱歩という視点は興味深い。しかし多くの作品を羅列的に扱うのでひとつひとつに深くは突っ込まない。楽しめたが論文のために探していたタイプとは違う。2015/12/13
Gen Kato
0
再読。ほぼ全作品にわたる論評と同時に、乱歩の私的なコメントの「証言」ありの充実した評伝。作者(松村喜雄氏)が小林芳雄少年のモデル(名前だけでも)だったという話も興味津々。2014/02/09
とっきー
0
親族からの視点なので乱歩を身近に感じることができて面白い。2012/09/04