内容説明
1886年10月28日、自由の女神は、独立百年を迎えたアメリカへの、フランス国民からの贈り物として、ニューヨーク湾に立った。自由の女神はいかにして建てられたか?その図像学的・政治的背景を解明し、19世紀最大のプロジェクトの謎に迫る書き下ろし歴史ドキュメント。女神像建立の発案者ラブゥレー、制作者バルトルディ、像の骨格の設計者エッフェル、台座の建造に尽力したピュリッツァーたちの動きを追い、この巨大像に結集された、時代の理想と情熱を再現する。
目次
プロローグ(ニューヨーク 自由の女神像大修復;アルザス、そしてパリ)
第1章 女神、懐胎(女神、ニューヨークに建つ―1886年10月28日;ラブゥレーの晩餐会―女神計画提案;バルトルディ、アメリカへ;女神の造型―自由像の系譜)
第2章 女神、前進(〈仏・米・ユニオン〉の設立;巨大像への挑戦;バルトルディのアメリカ再訪;助っ人、エッフェル)
第3章 女神、完成(パリにそびえる女神;ピュリッツァー、乗り出す)
第4章 女神、誕生(『世界を照らす自由の像』―バルトルディからのメッセージ;これぞ、台座;女神はいつもこちらを向いている!)
エピローグ(定めし奇観なるべし)
感想・レビュー
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てり
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1990年発行。1986年の自由の女神生誕100周年祭を取材しつつ、1886年に建立された自由の女神像の物語。設計者のバルトルディをメインに構想、設計、資金集めなどなどを追う。フランスからアメリカへ贈られたというのは有名な話だが、政府ではなく民間主導だったこと、台座部分の資金はアメリカ持ちでその資金集めに相当苦労したことなどが知れて「へー」となる。組み立て前の顔面のアップ写真(P135)を見ると相当に不機嫌な表情に見えるが、像として完成されたものとして見るととても自然。不思議。2022/09/09