感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
37
前作では仲の良い子供として見逃されていた二人が、思春期に突入した事でにわかに周囲から注目される。二人を見た周囲の反応は反応は、単なる嫌悪感情を向けられるにとどまらない。ケヴィンに至っては職場を失ったり濡れ衣を着せられたり、リンチにあったり…という、実害を伴うものになってゆく。特に二人に対して風当たりがきついのではなく、ベルファストの街全体が、爆発騒ぎがあったりIRAの爆弾テロがあったりと、前作に比べてかなりきな臭くなっている。人々が知らぬうちに日常の暴力に慣らされている所以であり、恐ろしい。2016/10/19
ぱせり
3
様々な考え方、立場の人たちが愛し合う二人を取り囲む。毎日のように誰かが殺される。人びとは異常な日々に慣れてしまう。けれども、明日殺されるのは自分のよく知っている人、大切な人なのだ。どこにどのように動いても、どこかで誰かが傷つかずにはいられない八方塞がりのなかで、恋人たちは、これからどうしたらいいのだろう。2018/11/29