内容説明
神出鬼没の男キング・マクレインがまたしても姿を消した。ビッグ・ブラック河の土手に、帽子をぽつんと残して―。「黄金の林檎」を求めてさすらうキング、妻スノーディと双子の息子、町はずれの森でキングと交わる人妻たち、そしてその落とし子…。20世紀初頭から40年、ミシシッピ州の田舎町モルガナを舞台に繰りひろげられる奇妙な生の営み。現代アメリカ屈指の物語作家による南部文学の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
砂出し天然コンキリエ
4
プロットがあまりにもぼやけているので、1回目では森に迷ったよう。それでもう一回続けて読んだ。いちおう物語は時代に沿って後半へ進んでいく。ある南部の田舎町に起こる生の神秘、盛衰を詩的に描いている。死、幻滅、孤独、疎外の影が常にあるにもかかわらず、それらは激しい筆致ではなく、女性が淡々と裁縫仕事をするように編まれていく。だから全体像は刺繍のようなのだ、どこかがとびぬけているということがなく、生と死が調和した絵。読みにくいけど、後味をひく不思議な小説。ピアノ教師の話、孤児の女の子が湖で溺死しそうになる話が好き。2011/09/06
sugsyu
1
日常の中に神話的ビジョンが交錯する特異な文体は、マジック・リアリズムに近いものがある。ジュピターとバッカスを合わせたような神出鬼没の怪人「キング・マクレイン」とその双子の息子を軸にした連作短編だが、中でも「6月のリサイタル」が圧巻。熱に浮かされた少年を視点に、隣家で起こる狂騒、ピアノ演奏会、火事を嵐のようにめくるめくビジョンとともに描く。最後の短編「放浪者たち」の結末も素晴らしい。2024/01/28
うなぎ
0
とにかく難しかった。 章と章のつながりもどうなっているのかいまいち分からなかった。 後半につながるのかと思って頑張って最後まで読んだけれど、結局最後まで分からなかった。2022/02/25
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