内容説明
ジャズに魅了された少年の夢と葛藤を描いて、若者たちの心に感動を呼んだ『ジャズ・カントリー』の作家による待望の自伝。ボストンのユダヤ人家庭に生まれたヘントフは、民族的伝統の洗礼を浴びながらも、生来の明るさと批判精神を発揮して、のびのびと成長してゆく。学校生活を送りながら労働し、ジャーナリストやジュズマンたちとの交流を通して、独自のリベラリズムを獲得してゆく過程が、生き生きと綴られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひじき
19
原書で再読。著者は『ジャズ・カントリー』『ぼくらの国なんだぜ』で知られる作家/ジャズ評論家/政治コラムニスト。現在のボストンのイメージは、アメリカ建国以来の歴史、大学街、マラソン、探偵スペンサー、といったところだが、1930〜40年代は移民の街で、政治的議論も沸騰していた。ヘントフはユダヤ人ゲットーで生まれ育つが、エリート校に通いつつ11歳から働き始め、ユダヤ教に捉われずラディカルな考え方を身につけていく。人生についてはジャズマンから学んだ。ジャズ・カントリーそのままの青春時代。いい時代だったんだなあ。2016/12/18