感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
斑入り山吹
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すっごいよかった!この本の原作は78年著で日本での出版は81年、『地下鉄少年スレイク』の原作は74年著。つまり晶文社はスレイクよりもこの本を評価した、という訳だ。それが納得できる内容だと思う。ペンシルベニア州の炭鉱の町に住む商店の息子の主人公はユダヤ人、炭鉱はポーランド系移民がやっている。広くアメリカの視点で見ればポーランド系だってマイノリティだろうに、そこら辺がまず、へぇ、と思わされる。少年が日常から自分の境遇を悟っていく過程が自然でとてもよい。ユダヤ、という難しいテーマをこんなに上手に書けるとは!2011/10/08