感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rotes Meer
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日本人の手になる、ローザ・ルクセンブルクの専門的な研究書としては、恐らく最高峰のものの一つだろう。松岡利道氏は、ルクセンブルクの「批判的方法」に着目し、その方法論がどのようなものであるのかを明らかにしていく。マルクス主義思想の研究一般に言えることだが、表面的な言説だけを撫でまわして、ポジティブな側面とネガティブな側面に区分し、前者だけを取り出すというやりかたからは、私たちはいい加減手を切るべきである。マルクス然り、レーニン然りである。松岡氏の分析は、マルクス主義思想研究の新たな在り方を示してくれている。2020/12/18