感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
at@n
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西洋の文学や絵画に出てくる昔の洗濯女のやっている洗濯が自分の知ってる洗濯とだいぶ違うのではないかと思い始めて洗濯に関する本や論文を読んでいるのだが、これはとても面白い本だった。性別による分業がどのように語られ、自然化されてきたのか、労働の技術が継承されるのではなく役割が世代交代していくのだ、などとても腑に落ちる。フランスの村での20世紀半ばまでの民族誌調査の本なのだが、もうすでに過去の話になっているのも面白い。2023/04/15
singoito2
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原題は"Façon de dire,façon de faire"で、「言い方、やり方」くらいの意味。生む性としての女性の身体性を主体的に社会化してきた女性達の文化を、フランスの農村の民俗学的調査をとおして論述している。目に見える古い慣習の意味を解きほぐす作者の記述は、まさに快刀乱麻で喝采に値する。原書’79年、邦訳’85年と古い本だけど、キム・ジョンで落ち込んでいる女性達にお奨めしたい1冊!2020/10/28