出版社内容情報
話すのって、なぜこんなに難しいの?…教師が身につけるべき
社会性とは何かを整理・確認し、「ベターな話し方」を提示する
教師のみなさん。話せていますか? 同僚、保護者、児童・生徒、校長、はたまた地域の方々などなど、生活環境もバックグラウンドも異なる様々な人たちと。
コロナ禍を機にリモートの仕事も増えてきました。それでも、私たちの仕事は「話す」ことで成り立っていて、学校から対話や会話が無くなることは決してないでしょう。
筆者はそんな学校という職場で、約20年間、話し続けてきました。この「話す」という行為がなかなか曲者で、人間関係を良好にすることもあれば、たった一言で信頼を失ってしまうこともある「諸刃の剣」です。昨今では「話し方」が分からないために、教職を志す若者が減っているとも聞きます。
教職20年と言うと、何ともご大層に聞こえますが、私の場合は失敗の連続の20年でした。話すのが本当に下手なのです。初任の頃など、個人面談の最中に言葉に詰まったり、職員室では無駄話ばかりに花が咲き、全く仕事が進まないなんてこともありました。自分に子どもが生まれたら、時間に追われ、打って変わって「話そうとしない教師」と呼ばれてしまいました。たくさんの人から、時には叱られ、笑われ、諭されてきて今があります。「話す」ということの難しさを痛感し続けた20年間といっても過言ではありません。いまだに「話し上手な人」が羨ましくてしかたないし、「話すこと」の厄介さと日々向きあっています。
本書は、「話すこと」にフォーカスし、「話を磨く術」、「教師にとって必要な社会性」とは何かを考えていくための本です。世に「話し方」のハウツー本は溢れていますが、実はマニュアルが設定しづらく、どんな職場、どんな環境にも通用する「ベストの話し方」を提示するのは至難の業です。だから読者のみなさんと一緒に、「ベターな話し方」を構築していければと思います。現役教員の方だけでなく、教職を目指したいけれど迷っている方にもぜひ手に取っていただきたいです。(いけはた・あきゆき)
内容説明
話すことって難しい!そう感じた人へ。教師なら知っておかなければならない社会性を整理・確認し、ベストじゃなくてもより「ベターな話し方」へ。失敗を無駄にしない。
目次
第1章 同僚と話す(人間関係は挨拶から;忙しい朝に何を話すのか ほか)
第2章 保護者と話す(まずは気持ちのよい挨拶から;放課後の電話 ほか)
第3章 上司と話す―頼み事ばかりになっていないか(困った、困った、助けてください;上司との雑談はありか、なしか ほか)
第4章 子どもと話す(子どもが帰るとき(二年生)
子どもは褒められたいと思っている―大人も同じですよね(三年生) ほか)
第5章 学校外の人と話す―旅行会社、教材屋、見学先、地域の方々(都内見学のことで旅行会社の人と話す(六年生)
市内見学について話す(四年生) ほか)
著者等紹介
池畠彰之[イケハタアキユキ]
1981年、川崎市生まれ。小さい頃から映画監督に憧れていたが、高校生のときに映画『学校』(山田洋次監督、1993年、松竹株式会社)を観て、教師を志す。2004年4月より、川崎市で小学校教師をはじめる。理想と現実の違いに挟まれて数々の失敗を経験。でも、ある年の3学期の終わりに「先生ありがとう」と言われ、20年間教職を続けている。教師という仕事をしながら、論語教室、復興支援ボランティア、学童野球にかかわり、人間関係の大切さを痛感している。現在、赴任4校目(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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