出版社内容情報
保育者と「小さな人(子ども)」たちの会話と行動にあなたは目を見張ることになる。
探究的な活動を媒介する「教育ドキュメンテーション」
イタリアのレッジョ・エミリア市の幼児教育の要素として、日本の保育現場でもよく知られている「ドキュメンテーション」だが、それは、子どもの姿や保育活動の様子を写真などで記録し、それを作成することだけではない。本来の教育的な機能は、子どもと保育者が一緒に保育実践を創造するために活用することなので、スウェーデンではそれを重視して「教育ドキュメンテーション」と呼んでいる。
本書は、『スウェーデンに学ぶドキュメンテーションの活用』(新評論、2018年)の続編となるが、教育ドキュメンテーションを試みた結果、どのような保育実践が生まれるのかを、名古屋市の「(福)共育ちの会」の三つの保育園における実践例を通して紹介した。各園の実践は試行的な段階ではあるが、ドキュメンテーションを作成して保護者に発信するだけでなく、それをもとに保育者同士が意見交換をしている様子や、子どもと保育者が話し合い、子どもたちの興味や疑問、考えを保育実践に取り入れている様子がリアルに描かれている。また、子どもたちの探究が広がり、深まっていることも分かるだろう。
内容説明
教育ドキュメンテーションとは、記録としての「ドキュメンテーション」をもとに、保育者と子どもたちが話し合う形で活動を振り返り、今後の方向性を決めていくという取り組みのことです。
目次
第1章 スウェーデンに学ぶ教育ドキュメンテーション(教育ドキュメンテーションとは何か;スウェーデンの教育ドキュメンテーションについて;おわりに)
第2章 日本における教育ドキュメンテーションの試み(子どもから出発するプロセス;探究的な活動と教育ドキュメンテーションの実践)
第3章 教育ドキュメンテーションによる保育実践例(取り組みの経過;実践例 身近な自然と触れ合い、友だちとつながる(あかつき三の丸保育園) ほか)
第4章 子どもとともにつくる保育実践のための教育ドキュメンテーション(遊びのなかの探究的な活動;子どもたちの主体的な活動の援助 ほか)
著者等紹介
白石淑江[シライシヨシエ]
愛知淑徳大学福祉貢献学部名誉教授。大学院修士課程修了後、短期大学保育科に勤務。その後、大学などの非常勤講師を経て、1991年から同朋大学社会福祉学部、2010年より愛知淑徳大学福祉貢献学部に勤め、2021年に名誉教授となる。大学において保育士養成に携わるとともに、児童虐待の発生予防を視野に入れた地域の子育て支援活動にも関わった。2000年にストックホルム教育大学(現・ストクホルム大学)に短期留学して以来、スウェーデンの研究者や保育者との交流を深めながら、この国の制度や保育実践について研究している
山中健司[ヤマナカケンジ]
社会福祉法人共育ちの会理事長兼あかつき田幡保育園園長。愛知大学卒業後、児童養護施設暁学園に勤務。その後、宗教法人神理教金城教会あかつき保育園に保育士として勤務。1987年から同園園長を務め、2024年より現職。2018年、厚生労働大臣表彰を受賞。保育園の経営に携わるとともに、名古屋市西区子育て支援会議代表、名古屋市西区保育園連合会会長、名古屋市西区社会福祉協議会理事に就任し活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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