屈服しない人々

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  • サイズ B6判/ページ数 322p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794811035
  • NDC分類 280
  • Cコード C0023

出版社内容情報

〈どのように生きるべきか〉を知ることが困難な時代、知性と感性を失わず、かつ誠実に生きてゆくためには…かつて遠い時代に「聖人伝」という種類の書物が存在した。神を求めて、求道的な人生を送った人々の人生を、彼らの過ちにも触れつつその道程を示すことによって、迷える衆生に神へと至る道、聖なるものへと達する道を示すことが、そうした書物の役割であった。
 神なき時代において聖なるものはあるのだろうか。抽象的な思考によって聖なるものへたどりつくことは、そもそも信仰など最初から持ち合わせない人間にとっては至難のことだろう。しかし、芸術作品に接して、そこに何か聖なるもの、何か尊いもの、何か超越的なものを感じるという体験は現代人にとっても失われたものではなく、むしろ人々がそうしたものへ向かう大きな動機となっていると言ってよいだろう。そして、ある人々の人生もまた、そのような賛嘆の念を多くの人間に抱かせる。そうした人々の人生自体が一個の作品としてみごとなものであり、尊いものであることが、それに接した人々によって感得されるのである。
本書で取り上げられるのは、戦争、全体主義、人種差別といった20世紀に人類史上最大規模の厄災となった事象に直面させられつつ、そのような賛嘆を誘う人生を生きた人々、たとえば旧支配者である少数派の白人と、彼らから長年にわたって差別を受けてきた多数派の黒人のあいだに内戦が起こっても不思議はなかった南アフリカにおいて、その両者への深い理解と共感によって、同国を和解の地へと変化させたネルソン・マンデラの人生である。彼らは、絶望に陥りかねない道程を歩みながら、自らの外部からやってくるさまざまな困難に立ち向かうとともに、そうした困難をもたらすと思われた「敵」に対する憎しみのような、自らの内部に巣くう「悪霊」にも屈しない術を知った人々であった。(おの・うしお 近代フランス文学)

ツヴェタン・トドロフ[ツヴェタン トドロフ]
著・文・その他

小野 潮[オノ ウシオ]
翻訳

目次

第1章 エティ・ヒレスム
第2章 ジェルメーヌ・ティヨン
第3章 ボリス・パステルナーク
第4章 アレクサンドル・ソルジェニーツィン
第5章 ネルソン・マンデラとマルコムX
第6章 現代のふたりの屈服しない人物―ダヴィッド・シュルマンとエドワード・スノーデン

著者等紹介

トドロフ,ツヴェタン[トドロフ,ツヴェタン] [Todorov,Tzvetan]
1939年ブルガリア、ソフィア生まれ、2017年パリで死去。当初構造主義的文学理論家として出発したが、1980年代から他者、全体主義体制における人間の精神生活、善悪二元論といった問題に関心を寄せるようになり、作家論、美術論、現代社会論といった幅広い領域で活発な執筆活動をおこなっている

小野潮[オノウシオ]
1955年生まれ。中央大学文学部教授。19世紀仏文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

paluko

8
「私が言う『屈服しない人々』とは、強者、権力の保持者に対して憎しみも暴力も示すことなく対抗する弱者である」(33頁)という定義の下にエティ・ヒレスム、ジェルメーヌ・ティヨン、パステルナーク、ソルジェニーツィン、ネルソン・マンデラ、マルコムX、ダヴィッド・シュルマン、エドワード・スノーデンの思想と人生、行動が紹介されている。「罪を憎んで人を憎まず」は有名な格言だが、実行することは非常に難しい。特にマンデラの生涯には教えられるところが多かった。2021/08/26

塩崎ツトム

5
ホロコースト、ナチズムからスターリニズム、人種隔離政策といった、抑圧の世の中で己の実存を維持するべく、良心と道徳のためを「NO」を訴え続けた人々の記憶。自分を維持することは孤独で辛い。2019/02/24

zikisuzuki

2
ナチのユダヤ人に対する迫害、ソ連の文学に対する迫害、黒人差別による迫害に対して屈服しなかった人々。彼らが過酷な状況に追いやられながらも、敵味方の二元論に陥ることなく人を憎まず権力に屈服することなく自分のなすべき事を全うした、そこに感銘した。縮こまるポピュリズムにに支配され二元論に終始し、権力者にへつらうモノたちが弱者を嗤っている今こそ読まれるべき本だ。2018/11/10

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