内容説明
死ぬことは怖くなかった。だって何が起きても確実にわたしは死に至る。わたしは死ぬ。それだけは決まっているんだから、安心して。本当の死ってこういうこと…死に向かって生きる二十代を描いた長編小説。
著者等紹介
小坂流加[コサカルカ]
7月4日生まれ。静岡県出身。第3回講談社ティーンズハート大賞で期待賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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seiko★
21
神様から与えられた運命…10年というタイムリミットを精一杯生き抜いた彼女。「神様を相手に喧嘩などできないのだと、一つひとつ諦めて正常な日常を取り戻していく。」「有り難う。ごめんね。好きです。伝えたいことは全部伝えた。後悔はない。」「死ぬ準備はできた。だから後は精一杯生きてみよう。」彼女の声が心に刺さり胸が締め付けられる・・・哀しく切ない運命。だけど、生きることの素晴らしさを今一度顧みる機会をもらったお話。。。自分なりの生き方で、その時が来るまで精一杯生き抜かねばと改めて思った。2018/06/21
のん
16
タイトルに惹かれて図書館から借りました。 著者の小坂流加さんは、刊行から10年後の今年の2月に亡くなられているそうです。各章の最後に茉莉の想いが綴られていますが、死期が近づくにつれ言葉に重みが増し、思わず小坂さんと重なり苦しくなりました。茉莉の言葉は小坂からのメッセージでは・・・と思うと切なく複雑な気持ちになり泣けました。また読みたいです。2017/08/11
SNOOPY
3
良かったです。 泣けました。死に向かう女の子の気持ちもよく伝わりましたが、和人君の気持ちの変化もぐっときました。2021/03/19
アオ
3
新人作なんだろうなって分かる読み始めだったけどまとまっていて受け入れやすい内容だった。終わり方もありきたりとは少し違った感じの感動と満足感を得られた。 不幸の中にたまに幸せを感じられる瞬間があるからこそ生を感じることができるという文面を見てこれからの人生悲観して生きるより小さい幸せをいくつも見つけていきたいと思った。 2017/05/07
まりかず
3
若い頃は死について考えることもそうないからちょっと立ち止まって考えるのにはいい本かも?しかしこんな優しい男っているかな?2011/02/24