動物・人間・暴虐史―“飼い貶し”の大罪、世界紛争と資本主義

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動物・人間・暴虐史―“飼い貶し”の大罪、世界紛争と資本主義

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  • サイズ A5判/ページ数 366p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794810465
  • NDC分類 642
  • Cコード C0022

出版社内容情報

歴史を語る際に美化されがちな主題の一つとして、人間と他の動物の関係をめぐる解釈がある。いわく、人間は他の動物を飼い馴らして食料・資源・労働力とすることで、文明発展の大きな土台を築き上げた、と。
 ジャレド・ダイアモンドをはじめ、著名な歴史研究者らが提唱するこの肯定的な「飼い馴らし」観に一定の真理があることは否めない。なるほど動物は人の食料となり労働力となった。馬の脚力は軍事力を高め、動物由来の感染症は多くの人命を奪って侵略戦争を支えた。それが例えば西欧を中心とする国々の植民地政策を成功に導いた無視できない要因であることは、いまや論をまたない。
 しかしながら、これを文明「発展」と捉えることに問題はないのだろうか。ここにはその「発展」なるものの陰で無念にも葬り去られたあまたの被害者たちの視点が決定的に欠けているように思えてならない。栄華を極めた帝国の歴史は、同時にその抑圧下にあった社会的弱者たちの歴史でもあった筈である。後者の視点から同じ歴史を振り返れば、成功に彩られたこれまでの物語とはまた違った風景が見えてくるのではないか。
 本書は人間による他の動物の飼い馴らし(著者のいう?飼い貶し?)が、人間同士の大規模な暴力に手段と目的を与え、真の文明発展を妨げたと告発する衝撃的な歴史新釈である。世界各地に共通するこの飼い貶しに始まる暴力の伝統は、力なき者を苦しめる現代の略奪的資本主義にまで繋がっており、南北格差、環境破壊、武力紛争、等々の問題を引き起こしている。動物の境遇を中心に据え、独自の観点から人類の暴虐史を見つめ直す著者は、弱者の犠牲を顧みない歪んだ世界秩序の形成を歴史学のレベルで正面から糾弾し、病理の根を断ち切る方途を示す。(いのうえ・たいち 翻訳家)

デビッド・A・ナイバート[デビッドエーナイバート]
David A. NIBERT 米・ウィテンバーグ大学社会学教授。「動物と社会」「世界変革」「少数集団」等の講義を担当。人間と他の動物に対する抑圧の絡み合いを研究する。著書に『動物の権利/人間の権利―絡み合う抑圧と解放運動』『宝くじ―州政府と夢への課税』。

内容説明

衝撃的な歴史新釈。歴史家の多くが無視してきた“暴力の伝統”とその“負の遺産”。“人類発展史”の暗部をえぐり出す警世の書。

目次

第1章 遊牧、牧場経営、暴力
第2章 飼い貶しとアメリカ大陸
第3章 北米における牧場経営と暴力
第4章 西部平原の飼い貶し
第5章 資本主義植民支配と牧場経営の暴力
第6章 「ハンバーガー」文化の社会構築
第7章 「ハンバーガー」文化とラテンアメリカ
第8章 飼い貶しと迫りくる瓦解
第9章 新しい動物福祉、菜食主義、資本主義

著者等紹介

ナイバート,デビッド・A.[ナイバート,デビッドA.] [Nibert,David A.]
テナント組合の世話人、地域活動家を経た後、オハイオ州スプリングフィールドにあるウィテンバーグ大学の社会学教授に就任。「動物と社会」「法と社会」「社会の階層化」「少数集団」「世界変革」の講義を担当。人間と他の動物に対する抑圧の絡み合いを研究する。アメリカ社会学会「動物と社会」部門の共同創設者

井上太一[イノウエタイチ]
1984年生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業。会社員を経た後、翻訳業に従事。おもな関心領域は動植物倫理・環境問題。語学力を活かし、国内外の動物福祉団体・環境団体との連携活動も行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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GASHOW

6
人類の発展は、他の動植物の命によって支えられている。生物全体からみてみれば、人間は家畜の命を奪い続けている。人間に対しても奴隷として命を軽視していたり魔女狩りなどと凄惨なことをしていたが、本書は動物全般におこなっていることに焦点をあてている。2016/10/31

こゆき

1
まさに「来たー!」って本です!!  どのページを開けても目が釘付けになる。これを読めば資本主義に魅せられた人間による動物利用の歴史がつぶさに理解できます。お金が絡んだら人間はどこまでも残酷になれるという事です。その行き着いた先が今の搾取社会です。この本を読む前と後で社会の見え方が変わります。  著者の文献蒐集の執念も凄い…  そして訳者の日本語力。英語力もだけど、たぶん文学とかも相当イケるんだろうな… 2022/06/06

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