99%のための経済学 教養編―誰もが共生できる社会へ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784794809209
  • NDC分類 331
  • Cコード C0036

出版社内容情報

脱・新自由主義を掲げ続ける「いのち」と「生」のための経済学。震災後に開始した問題提起のブログ『共生経済学を創発する』を再編集。
内橋克人さんとの共編著『ラテン・アメリカは警告する―「構造改革」日本の未来』(新評論 2005年)を世に送り出し、新自由主義の危険性を訴えてから7年。政権交代後の今も状況はほとんど変わっていない。従来の「構造改革」路線は改めて更新され(TPP協議への参加方針/税と社会保障の一体改革)、大震災と原発事故の被害も十分には補償されないまま、相変わらず自己責任と自由放任の冷酷な政治がまかりとおっている。「格差社会」の構造は手つかずのままであり、象徴的に「1%」と呼ばれる一握りの富裕層が法外な利益を得ている反面、「99%」、つまり圧倒的多数の庶民の暮らし向きはさらに悪化してきた。自殺や孤独死も高止まりしたままだ。文字通り共生を阻み、多様な生の可能性を狭める仕組みが、現在も持続しているのである。いま必要とされているのは、この悪しき構造を真正面から暴き出し、その変革の方向性を提起する「99%のための経済学」にほかならない。それはまた人々の共生とその質的向上、そして人間と環境の調和を目指す、「共生経済学」でもなければならない―こう見定めて2011年秋、ブログ『共生経済学を創発する』を始め、グローバルな視点から、経済とその関連領域について様々な問題提起を重ねてきた。TPPや一体改革などの批判は当然だ。ほかには「新自由主義サイクル」と「原発サイクル」の類似性、子どもも洗脳しかねないネオリベラル・マスメディアの批判、独裁的な「おまかせ民主主義」の批判、アルゼンチンに学ぶ「非正規雇用を減らす方法」、共生経済社会への転換構想、債務危機の下で広がるギリシャの共生経済(地域通貨)など。このうち「おまかせ民主主義」批判は、すでに脱原発運動の一部でも利用されている。以上を編集し、体系的にまとめ直したのが本書である。ブログと同じく口語体であり、予備知識がなくても読み進められるようになっている。近刊『99%のための共生経済学 理論編』と併せてご一読頂ければ幸いである。(著者 佐野 誠)

内容説明

所得・健康・教育などの格差拡大、自殺者・孤独死の数の高止まり…。一握りの富裕層に所得を集中させ、圧倒的多数の人々の暮らしを破壊する、現代固有の政治的景気循環「新自由主義サイクル」。この閉塞した状況から一日も早く抜け出すにはどうすればよいのか?そして、来たるべき「共生経済社会」を可能にする条件とは?「新自由主義サイクル」と「原発サイクル」の支柱たる「おまかせ民主主義」を撃ち、多様な回路を通じた共生への「市民革命」を対置する。

目次

第1章 共生経済学宣言(共生のための経済学を創発する;新自由主義サイクルの罠 ほか)
第2章 共生に反する現実の断面(怪談―二つの「TPPおばけ」;経済テロリズム ほか)
第3章 三・一一後の日本―共生のための変革を考える(新自由主義サイクルと原発サイクル;愛と希望の経済学 ほか)
第4章 共生を妨げる、メディアの偏向(繰り返しますがピノチェト(ピノチェット)ではありません!
経済学はメディアにどう影響するか ほか)
第5章 共生のための経済学批判(損得勘定の精神分析;由紀さおりさんのブレイクを考える ほか)
第6章 グローバルな視点から共生を考える(豆知識―南米とマクドナルド;教育格差の是正を!―チリ大学教員の声明文 ほか)

著者等紹介

佐野誠[サノマコト]
経済学者。博士(経済学)。1960年生まれ。1982年、早稲田大学政治経済学部卒業。東北大学大学院、筑波大学大学院、東北大学助手、外務省専門調査員(在アルゼンチン日本大使館)などを経て1998年より新潟大学教授(経済学部および大学院現代社会文化研究科)。2001年、アルゼンチン国立ラ・プラタ大学国際関係研究所招聘教授として集中講義(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

33
先日読んだ異端派経済学の紹介本がいたく面白かったので、監修した故・佐野誠さんの著書を拝読。フリードマンやハイエクといった新自由主義学者たちのおもちゃにされた南米で学んだだけあり、筋金入りの左派経済学です。ただ読めば読むほど腑に落ちるところが多い。アメリカは決して自由主義一辺倒の国ではなく、1970年代まではニューディール政策をはじめ様々な政府や社会の介入があった。先日の朝日新聞のインタビューでも米国経済は時代の変化に応じて柔軟に変わりうるとの指摘がありました。まだ希望は捨てない方がよいかも。2020/03/18

みねたか@

29
1%の富裕層が富を独占し99%の暮らし向きは苦しくなっていく,そんな絶望的な社会を変える「共生経済」の実現に向けて著者が発信したブログをまとめたもの。世の矛盾や是正のための方策を,時に舌鋒鋭く,特にウイットに富んだ筆致でわかりやすく示してくれる。2012年の関越道高速バス事故について,「規制緩和で過当競争、人件費効率を上げるために労働生産性を高めようとした帰結で,規制緩和がもたらす経済テロ」と断じている。著者は2013年に逝去されているが,今次の観光船の事故を踏まえ,何を語られただろう。2022/05/25

壱萬弐仟縁

12
8頁には共生経済社会の構図が描かれる。市民革命を通じて既存の共生を破壊する社会から、共生経済社会を構築する必要を訴えられた。著者は内橋克人氏の共生経済論からヒントを得ていることがわかる(36頁)。内橋氏にはわたくしも賛同できる。FEC経済(37頁)などで。公務員バッシングは、「しなないと、ころすぞ」らしい(62頁)。自殺しないと他殺? おぅ、こわ。TPPについては、特定秘密保護法のせいで、記者がスクープ記事を書けないという、読者の楽しみを奪い、知る権利を奪われることの理不尽を思う。2014/02/03

おおにし

9
ラテンアメリカで見られる「おまかせ民主主義(委任型民主主義)」。これは大統領に選ばれた人物が、政法令といった手段を通じて恣意的に行政権力を行使するようになり、時には立法や司法を侵すことさえある…あたかも全権委任が行われたかのような、そんな風に進化した民主主義体制のことだそうだ。おや、これは日本のことではないか!著者がいうように白紙委任という「おまかせ」は日本の政治文化だったというのは間違いないだろう。その傾向は現政権でピークとなったように感じる。アルゼンチンならこの先市民革命が起きるところだが。2014/09/03

May

6
経済学は実験室での仮説の正しさを証明することができない意味においては、新自由主義も共生経済も同じ立場でしかない。新自由主義の方が実証例が多いから、批判も肯定もしやすいに過ぎない(同じ視座によって見え方は違うのが当たりまえ)。何かを世間に訴えることは大事だし、力を持つときもある。しかし、それを実践することも大事だと思うから、99%のための経済を実践するにはどうしたらよいかを、もっと考える必要があると思う。(続く)2023/03/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5572838
  • ご注意事項