出版社内容情報
マーティン・J.S.ラドウィック[ラドウィック マーティン]
著・文・その他
菅谷 暁[スガヤ サトル]
翻訳
内容説明
「人間が存在しない時代の光景」はいかに描かれてきたか。19世紀に誕生した「太古の光景」という表現のジャンルを、傑出した科学史家が105枚の図版をもとに緻密に検証し、“科学的・芸術的想像力”の歴史を浮き彫りにする。
目次
1 天地創造と大洪水
2 過去への鍵穴
3 太古の世界の怪物たち
4 最初の連続的光景
5 怪物たちを飼い慣らす
6 確立したジャンル
7 すべてのことを解き明かす
著者等紹介
ラドウィック,マーティン・J.S.[ラドウィック,マーティンJ.S.][Rudwick,Martin J.S.]
1932‐。ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで学び、1958年に地質学の博士号を取得。腕足類の研究から出発したが、次第に科学の歴史・哲学に研究の力点を移す。カリフォルニア大学サンディエゴ校教授をつとめたのち、1998年に同大学を退職しイギリスに戻る。現在はカリフォルニア大学名誉教授、ケンブリッジ大学科学史・科学哲学科所属の研究員
菅谷暁[スガヤサトル]
1947年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。科学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Meroe
2
「大洪水以前の時代」すなわち化石によって知られる人間以前の時代を自然主義的に再現する絵画表現の誕生と成立。宗教画・歴史画の絵画的慣例と地質学、解剖学の出会うところ。化石だけが残る生物の肉体・動き・関係性(食い食われる)をどう生きたものとして表現するか。「太古の世界」に感じられた一様性と、多様性の啓蒙・教育。再現される太古の世界と現在(当時)の化石発掘、出版、博覧会(絵画だけでなく、立体模型へ)。人間なき時代にその光景を「誰が」見ているのか=魔術的な時間旅行の形式。人間の歴史をどう接続するか。2012/03/21
志村真幸
0
19世紀から20世紀初頭にかけて、「太古の世界」がどのように描かれたかを分析した研究書だ。 105点の図版が収められており、圧巻。恐竜、魚竜、シダ植物、アンモナイトといったものが、どこかぎこちなく描かれ、しかも、時代によって少しずつ表現が変化していく。 もちろん古生物や地質年代といったものへの理解や関心が変化したことに呼応しており、やがて人類が描きこまれるようになるあたりも重要だ。 ただ、研究書としては、もうひとつ物足りない。もっと踏みこんだ分析がほしい。また、図版がカラーでないのは残念。 2025/02/06
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