出版社内容情報
スウェーデン在住の著者が1年半をかけてスウェーデン全土の世界遺産を「何でも見てやろう、何でも聞いてやろう」の好奇心で探訪し、それらの歴史的・文化的背景、そして行く先々で出会った人々との交流やエピソードを写真とともに綴った紀行文。
航空網の発達で世界はますます小さくなり、休暇を海外で楽しむ人もいまやかなりの数にのぼる。チャーター便やツアー旅行はいつも満席だと聞く。異文化に接することは実に楽しく、またよりよく日本を知るためにも海外から日本を見ることは非常に有意義である。しかし旅行の手軽さに比べ、訪問国・地域が持つ文化や歴史への理解はまだまだ充分でないというのが現状だろう。これは旅行日程・コースや言葉の壁、また短期間にできるだけ数多くの名所旧跡や美術館、博物館を見て回ろうという日本人独特の行動様式に一因があろう。何百年、何千年の歴史をわずか一時間足らずの見学で理解するのはまず不可能なことである。
周知の通り、世界各地に存在する豊かで価値ある自然や文化の中でも、世界的視野から見て後世に残すべきものはユネスコにより世界遺産(自然遺産、文化遺産、そしてその両者からなる複合遺産)に指定され、保存・保護されている。現在、世界遺産条約の締約国は185か国に及び、世界遺産総数は851を数える。そしてそれら世界遺産の一つ一つに自然史や人類の深い歴史が秘められている。本書は、スウェーデン在住の著者が一年半をかけてスウェーデン全土の世界遺産を「何でも見てやろう、何でも聞いてやろう」の好奇心で探訪し、それらの歴史的・文化的背景、そして行く先々で出会った人々との交流やエピソードを写真とともに綴った紀行文である。本書ではスウェーデンの14の世界遺産すべてを取り上げ、他の書物では知りえないスウェーデンの歴史と文化の厚みを分かりやすく説明するよう努めた。親スウェーデン家の方々はもちろん、旅行者のガイドブックとしても、また今日のスウェーデンを知るためにも必読に値するものと自負している。(うの・みきお)
内容説明
スウェーデンの世界遺産をウプサラ在住の著者が探訪し、その歴史的・文化的背景を多くの写真とともに詳述。
目次
ターヌムの線刻画群
グリメトーンの電波局
軍港都市カールスクローナ
エーランド島南部の農耕地帯
ハンザ同盟都市ヴィスビー
ヴァイキング都市ビルカ・ホーヴゴーデン
ドロットニングホルムの王領地
スクーグスチルコゴーデン(森の墓地)
エンゲルスベリーの製鉄所
ファールンの大銅山地域〔ほか〕
著者等紹介
宇野幹雄[ウノミキオ]
1947年、大阪市生まれ。1969年夏、交換留学生としてスウェーデンに滞在。1970年、同志社大学工学部工業化学科卒業。1971年、ウプサラ大学理学部入学。ウプサラ大学およびストックホルム大学の環境関連学科で単位を修得する。1972~1974年、スウェーデン学術会議ツンドラ地帯調査プロジェクト(於:アビスコ)助手。1975年、ウプサラ大学理学部卒業。1980年、ウプサラ教育大学入学、そして卒業。1981~2005年、ソッレンチューナ・コミューンおよびウプサラ・コミューンで公立中学校の数学・理科教員として教壇に立つ。現在、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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