出版社内容情報
大学の無償化とベーシックインカム(基本所得)。これが2年前に刊行した『ネオリベ現代生活批判序説』の結語である。増補にあたり、編者白石の講演「学費0円へ」(京都精華大学)と堅田香緒里氏へのインタヴュー「ベーシックインカムを語ることの喜び」(『VOL』二号初出)を付した。数々の運動を惹起した「ネオリベ時代の日常生活批判の手引書」、実践的深度を加えた待望の増補版!
大学の無償化とベーシックインカム(基本所得)。これが2年前に刊行した『ネオリベ現代生活批判序説』の結語である。増補にあたり、編者白石の講演「学費0円へ」(京都精華大学)と堅田香緒里氏へのインタヴュー「ベーシックインカムを語ることの喜び」(『VOL』2号初出)を付した。オイルショックで発生した金融資本はまず中南米に投下される。そのための暴力的な「構造改革」がチリのクーデタだった。以後、グローバル化の名のもと、世界そのものが交換の論理によって金融化されていく。ネオリベラルな「サミット体制」の出現である。この体制において、起源の暴力が変奏されつつ、交換の論理は情動や言語という、われわれの日常の基底を織りなすところにまで浸透する。それが今日語られている「生きづらさ」にほかならない。だが、情動や言語の表現はもとより無償である。だから表現の普遍性をになう大学は無償でなければならないし、表現の主体としての生そのものがベーシックインカムによって無条件に肯定されるべきではないのか?「向い火」(ブルデュー)が伝播し、われわれの生存と表現を蝕むネオリベラルな「サミット体制」が焼け落ちること、それが増補の賭け金である。
内容説明
ユートピアを語ることなしに、現実へのコミットメントはありえない。情動のサンディカリズム、精神分析による恒常性の恢復、愛の力としての峰起への誘い、そして交換の論理とは敵対する大学への展望―さらに「向い火」(ブルデュー)が伝播し、われわれの生存と表現を蝕むネオリベラルな「サミット体制」が焼け落ちること、それがその増補の賭け金である。現代日本を読み解くバイブル。日本ではじめてのネオリベ時代の日常生活批判の手引き書。
目次
序 現代―何が起きているのか?(事件―埼玉大学の「協定」と非常勤講師大量解雇;ネオリベラリズム(新自由主義)とは何か?)
本論 生活―どのような日常を生きているのか?(労働/消費―入江公康氏に聞く;心理/主体―樫村愛子氏に聞く;運動/政治―矢部史郎氏に聞く;大学/文化―岡山茂氏に聞く)
結 批判―取り戻すべきものは何か?(ベーシックインカムを語ることの喜び―堅田香緒里氏に聞く;学費0円へ―学費無償化とベーシックインカム)
著者等紹介
白石嘉治[シライシヨシハル]
1961年生まれ。現在、上智大学他非常勤講師。フランス文学専攻
大野英士[オオノヒデシ]
1956年生まれ。現在、埼玉大学他非常勤講師。フランス文学、現代思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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