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革命期メキシコ・文化概念の生成―ガミオ‐ボアズ往復書簡の研究

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  • サイズ A5判/ページ数 400p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794807236
  • NDC分類 389
  • Cコード C3039

内容説明

ナショナリズムの気運高まる20世紀初頭のメキシコで、「メキシコ人類学の創始者」マヌエル・ガミオと「米国人類学の祖」フランツ・ボアズは人類学研究の拠点を確立するという共通の目的を介して知り合った。本書は、2人が交わした142通の書簡と「マヌエル・ガミオ・アーカイブ」約400点を読み解くことにより、多民族社会メキシコに固有の文化概念を構築しようとしたガミオの思想と実践、そしてその構想が文化的多元主義と交差・葛藤する様相を明らかにしようとするものである。

目次

第1章 本研究の目的と課題
第2章 ガミオに関する先行研究と本研究の方法
第3章 ガミオによるメキシコ人類学の組織化
第4章 ガミオにおけるnation概念―ボアズのnation概念との比較を通して
第5章 ガミオにおけるnationの表象と「芸術」
結語

著者等紹介

大村香苗[オオムラカナエ]
1969年岐阜県生まれ。南山大学外国語学部イスパニア科卒業。2005年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了。人文博士(文化人類学専攻)。現在、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)ラテンアメリカ研究センター客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報

革命の波に翻弄されながらも国家の枠組みを超えて協力しあい、かつ議論を通じて次第に見解を異にしていくガミオとボアズの姿を通して、文化や人種の違いを理解した上で尊重しあう社会とはどのように可能なのか、その実現の困難性も含めて考察する。

「異なる文化を持つ人々が相互に理解しあい共存することは可能なのだろうか」。地球規模での人々の接触が進む今日、このような問いがさらなる切迫感を持って発せられている。本書は、出身背景を大きく異にする二人の人類学者の交流の軌跡を通して、この問いを探究しようとするものである。
本書の舞台は、二〇世紀初頭の革命期メキシコである。ナショナリズムの気運高まるこの時期のメキシコにおいて、二人の人類学者―メキシコ人マヌエル・ガミオとドイツ生まれのユダヤ系米国人フランツ・ボアズ―は、人類学研究の拠点を創設するという共通の目的を介して知り合った。本書は、ガミオとボアズが交わした約一四〇通の書簡と「ガミオ・アーカイブ」(論文・書簡・新聞記事のコレクション)約四〇〇点を、メキシコ、米国、ヨーロッパから成る多層的な文脈の中に位置づけながら読み解くことにより、「国民国家」の様々なあり方、さらにはそれが文化の多様性を尊重すべきとする立場(文化的多元主義)と交差・葛藤する様相を明らかにしたものである。
文化的多元主義のパイオニアとも呼ばれるボアズは、人種的差別が吹き荒れる当時の米国社会に真っ向から対抗した社会活動家としても知られる。ボアズが行った数々の議論は、今日の異文化理解の鍵ともなる「文化」や「人種」の概念が練り上げられる素地を作り、文化相対主義の観点を提供した。一方、ボアズのもとで学んだガミオは、その理論を存分に吸収しながらも、多様な人種や文化から構成される多民族国家メキシコにそれらを直接移植するのではなく、メキシコ独自の文化概念の生成を目指した。
 本書では、革命の波に翻弄されながらも国家の枠組みを超えて協力しあい、かつ議論を通じて次第に見解を異にしていくガミオとボアズの姿を通して、文化や人種の違いを理解した上で尊重しあう社会とはどのように可能なのか、その実現の困難性も含めて考えてみたい。(おおむら・かなえ)