新EU論―欧州社会経済の発展と展望 (改訂版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 221p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784794806949
  • NDC分類 333.7
  • Cコード C0033

内容説明

大欧州圏の未来構想を読む。共通通貨ユーロの創出、25ヵ国拡大EU圏の現状と展望、9・11以後の安全保障戦略、欧州憲法条約の行方など、2001年初版以降の激動の欧州情勢を踏まえ、情報を刷新。

目次

EC(欧州共同体)・EU(欧州連合(九三年十一月以降))の社会経済発展と課題―ローマ条約の成立からマーストリヒト条約成立まで
第1部 EC(=EU(九三年十一月以降))の経済発展史―一九六〇年代、七〇年代、八〇年代の主要経済政策の特徴(一九六〇年代のECの経済発展のメカニズム;一九六〇年代から七〇年代のEC経済政策とは何であったか;一九七〇年代のECと発展途上国との関係;一九八〇年代のEC経済の特徴)
第2部 一九九〇年代のEUの主要社会経済政策の課題(一九九三年ウルグアイ・ラウンドの意味とEUの課題;マーストリヒト条約の主要原理とは何か;EUの欧州市民権とは何か;市民共同体のEU;一九九七~九八年・転換期のヨーロッパの課題)
第3部 現代EUの主要課題(通貨統合(ユーロ)の発展と最近の経済政策の課題
共通外交・安全保障政策が始動
二五ヵ国のEU拡大圏の誕生)

著者等紹介

清水嘉治[シミズヨシハル]
1929年生まれ。1955年一橋大学大学院社会学研究科修了、経済学博士。神奈川大学名誉教授。専攻:世界経済論、ヨーロッパ経済論

石井伸一[イシイシンイチ]
1934年東京に生まれる。1959年早稲田大学商学部卒業。NHKパリ総局特派員、神奈川大学経済学部特任教授などを経て、現在、神奈川大学非常勤講師。専攻:EU論、ヨーロッパ経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報

このたび、『新EU論―欧州社会経済の発展と展望』の改訂版を出すことになった。二〇〇一年の初版では、戦後の欧州が統合に復活の道を見いだし、関税同盟、共通農業政策に続いて、通貨危機の中からの共通通貨「ユーロ」の創出という経済統合が深化してきたことを取り上げた。また、一九八九年の冷戦の終結を転機に旧東欧諸国が体制転換し、EU、NATOへの加盟を申請し、EUの東方拡大が新しい拡大の課題に浮上した。さらに、一九九一年から始まった旧ユーゴ紛争を契機にEU(当時EC)に、欧州独自の安全保障体制が必要という意識が高まったが、この時点までは初版で取り上げてきた。
 しかし、近年、欧州の統合に新たな転機が訪れている。中・東欧など一〇ヵ国が二〇〇四年に同時加盟し、EUは二五ヵ国拡大圏へ発展した。また、二〇〇一年九・一一米国同時多発テロ事件という現代の脅威に触発され、欧州独自の安全保障戦略を立ち上げるといったように、最近の欧州情勢は変革が著しく、この新情勢を改訂版に取り上げ、情報の刷新を図った。
 換言すれば、本改訂版では、戦後の欧州復活の原点となった、統合を理念とする一九五八年のローマ条約の発効から、六〇~九〇年代にかけて発展してきた経済・社会の統合の軌跡を辿りながら、最近の情勢を取り上げ、今後の展望を試みた。大局的にみて、現代は、欧州を舞台にグローバリゼーション、リージョナリゼーション、ローカリゼーションが交錯し、EUリ―ジョンが発展してきていると言うこともできる。これは、例えば、アジアでは東アジア共同体に向かう動きに連動していると言え、EUの方向性が日本に与える示唆は少なくない。
 中・東欧諸国など一〇ヵ国の新規加盟による統合の拡大で、東西ヨーロッパが統合し、「平和な欧州地域」が拡大した意味は大きい。しかし、一方で、労働力の移動により移動先の国の雇用不安につながるといった派生的な課題も少なくない。また、EU独自の安全保障戦略の策定が危機管理、人道救援の任務の面で果たす役割が期待される。文民警察部隊の創設は一つの特徴と言えよう。さらに、拡大圏に共通の基本法である欧州憲法条約の制定の問題も残されている。条約は政府間レベルでは難交渉の末、妥結、調印に漕ぎ着けたものの、フランス、オランダの国民投票で批准が否決された。加盟国の市民が選択権を握っているというナショナルな面が浮上し、「市民のEU」の構築が改めて問われている。これらの課題は、今後のEUの発展に注目する際の重要なポイントとなるであろう。    (いしい・しんいち)