道路公団民営化を嗤う―これは改革でなく成敗である

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道路公団民営化を嗤う―これは改革でなく成敗である

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  • サイズ B6判/ページ数 312p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794806505
  • NDC分類 514.06
  • Cコード C0036

出版社内容情報

【これは改革ではなく成敗である】誰が英雄でも、誰が悪者でもない。政権浮揚策として民営化でもてあそばれた日本道路公団は私たちの資産だった。民営化の舞台裏を探る!
「七人の侍がいて、最後は斬り合った」、「道路の権力と戦う男がいた」などと喧伝され、マスコミ受けはよかった日本道路公団など道路四公団の民営化。民営化しないでもできる政策の転換を、無理やり「民営化の成果」と言うしかない無残な結果に終わった。マスコミは、自民党道路族や国土交通省が巻き返したと結果とするが、そんな「小泉首相が善=道路族が悪」といった単純な話ではない。小泉首相は「民営化しろ」と繰り返し、「なぜ」を最後まで説明しなかった(考えていなかった?)。サプライズ人事でつくった道路関係四公団民営化推進委員会などに丸投げし、民営化というキーワードだけは守った内容を「画期的な成果」と強弁する。その厚顔さにだまされた。テレビカメラの前でインタビューに応じ人気を得ることには、天才的な才能を発揮する小泉首相に、マスコミは流され続けた。首相のもつ非論理性、思い付き政治の深層をマスコミが明かすことは少なかった。民営化の報道は、マスコミの脆弱さと大衆迎合性、愚かさと危うさを浮き彫りにした。単純化して報道することはわかりやすい半面、今や多様な価値観をくみ取らず私たちの知力、知性というものを奪ってしまう。イラクへの派兵などに象徴されるように、論理的な議論もなく反省もないままに感情で決めていることに、批判も「ノー」とも言えなくなっている。 ひたすら仮想敵をつくり抵抗勢力と批判することで、政権の維持だけが目的となった政権は、どこに導こうとしているのか。民営化には、決して英雄はいない。理念もない。ただ、民営化という名の下で、道路公団をシャッフルし、イメージをつくっただけである。3年の年月をかけ数100億円というコストを払うにしては、嗤うべき内容である。

内容説明

小泉首相はいったい何を指示したのか。民営化の舞台裏を探る。

目次

第1章 小泉首相登場と日本道路公団民営化(聖域なき構造改革と民営化;民営化推進委員会を創設)
第2章 混迷する道路公団の民営化論議(財務諸表問題が急浮上;「亡国の総裁」と実名批判 ほか)
第3章 民営化法が成立(近藤総裁が波乱要因に;民営化の枠組み決定 ほか)
第4章 道路公団民営化の評価(民営化の姿と評価;小泉改革とメディア)

著者等紹介

諏訪雄三[スワユウゾウ]
1962年兵庫県明石市生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業。1984年に共同通信社に入社。北海道、大阪の支社局を経験、現在は本社内政部で環境問題と公共事業問題を主に担当する。1994年9月から1年間、ワシントンDCの「環境保健センター」で米国の環境事業を取材した
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