出版社内容情報
【アフリカ分割の政治経済学】この100年間、歴史家によって論争されてきた大英帝国の政策決定プロセスを徹底分析、アフリカ分割の国際的要因を精緻に検証する。
イギリス人にとってアフリカは地理的、歴史的に近い。アフリカ分割はなぜ起きたのか、イギリスの意図は何だったのかと、この百年間、歴史家によって論争されてきたのも当然なことである。 この論争においてはわれわれが当然と思ってきた帝国主義なる概念、そしてそれが第一次大戦の主要な要因をなしたという考え方に疑問符が投げかけられてきた。帝国主義という概念につきものの、アフリカ分割の主要原因を経済利害に求める説に全面的に賛成していないからである。ホブスン以来の経済的帝国主義論は決定論的だとして常に斜めに見られてきた。政策の決定はもっと複雑であるという主張が有力になったからである。 自由貿易と金本位制を基礎としイギリスを核とした国際経済、その中で開かれた帝国の確保などに関連してアフリカ分割を検討したのが本書である。
内容説明
19世紀末、“分割の時代”における大英帝国の複雑な政策決定プロセスを徹底分析し、イギリスを核とした国際経済の形成、アフリカ分割の政治経済要因を精緻に検証する帝国経済史の決定版。
目次
第1部 帝国と自由貿易―1873~1914(アフリカ分割に関する研究史;自由貿易主義と将来の市場論 ほか)
第2部 19世紀末「商業帝国主義」の実践(19世紀末における商業利害;1880年代後半における「商業帝国主義」の実践―南東ナイジェリア ほか)
第3部 金融・資本輸出と帝国(1882年、エジプト占領;南アフリカ戦争(その原因;政策決定の過程))
第4部 アフリカ分割の政治経済学(東アフリカ、戦略と商業、エリートと非エリート;商業帝国主義の主体リヴァプール派 ほか)
著者等紹介
竹内幸雄[タケウチユキオ]
1944年生まれ。1967年、明治大学商学部卒業。同大学院を経て、現在、日本大学商学部教授(商業史、近代経済史担当)。イギリスの帝国経済史を研究
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。