出版社内容情報
【ダムって、何だ】熊本県人吉・球磨地方で森と川を育みながら生きている現代の「百姓」(福祉事業者,川漁師,市民,中山間地農業者たち)にとっての反ダム運動。渾身のルポ。
現代の「百姓」-福祉事業者、川漁師、市民、中山間地農業者たちにとってのダムとは日本三大急流の一つ球磨川の支流・川辺川といえば、諫早湾閉切り、吉野川大十堰などと並び、いまや税金ムダ使いの象徴たるダム建設事業が思い浮かぶだろう。ダムの目的である治水、発電、利水は、はじめからその意味を失っている。アメリカの開墾局総裁ダニエル・ビアードは、「ダム開発の時代は終わった」と公式発言したが、九州最大級の川辺川ダム建設もまた、ニューディール政策以来半世紀に及ぶ河川破壊史の矮小な焼直し版にすぎない。いま、ダムとは何だろう。とりわけ流域の人吉・球磨地方の森と川を育み、それによって生きている現代の「百姓」-地域の老いを一手に支える福祉事業者、川漁師、市民、中山間地農業者たちにとってのダムとは。常に現場志向の著者が問い掛ける。
内容説明
川辺川ダムば認めるわけにいかんとです。もっともっと「公共事業」を考えよう。
目次
1 球磨川下りを守る
2 市房ダム以後
3 アユは車に乗って
4 湖底幻視
5 立ち上がる市民
6 よみがえる魂
7 いのちの十字路