出版社内容情報
【文学と芸術に現れたユーモアとグロテスク】古代エジプトの壁画から近代の風刺版画までの歴史を,人間の笑いと風刺をキーワードに縦横無尽に渉猟するもう一つの心性史。
内容説明
古代の壁画から近代の諷刺版画まで、笑いと諷刺の心性史。
目次
諷刺の起源
ローマ時代
古代から中世へ
悪魔の登場
動物と寓意
動物とパロディー
吟遊詩人
民衆の生活
彫刻と素描
中世の諷刺文学〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
depthofthesky
1
#dokusyo 深夜というより早朝近くに読了。19世紀に書かれたペダンチックな厚い本なので、読み通すのに苦労した。「笑い」が西洋でどのように機能していたかを膨大な例を挙げながら詳述している。狭量なキリスト教への対抗文化としてカリカチュアが存在したのではなく、「キリスト教とは異なる文化」の一側面がカリカチュアであり笑いの本質ではなかったかという可能性を示唆する。方法論は別にしてもアナール派っぽい考え方をえらく昔にやったひとがいたもんだ、と感心してしまう。2010/03/28