出版社内容情報
【南フランスの女性と呪術】19世紀の詩人ジャスミンの詩を読み解きながら,農村社会における呪術的世界の意味を歴史の中に探る,アナール派の旗手による魔女研究の新段階。
内容説明
魔女研究としてこれまで語られてきたことは、夜に箒の柄に乗って飛行するとか、魔女集会で黒や緑の色の悪魔の尻に接吻するとかいった類いのことであった。今日の『アナール』を代表する歴史家であるル=ロワ=ラデュリの新しい魔女研究はそのような言説とは完全に切れている。魔女についての神話や伝説がそのような内容のものであるとしても、その根のところにあるものは農村民衆の生活のどのような現実であったのだろうか。問題の提起の仕方を変化させることでル=ロワ=ラデュリは魔女研究において新しい段階を画すことになった。
目次
1 ガスコーニュの三人の魔女―フランソネット、ジェラルド・ミマレ、マリ・ド・サンサリック
2 フランソネット
3 その時代におけるフランソネット