出版社内容情報
【人類の営みの裏の軌跡】毒獣,矢毒,裁きの毒,暗殺用の毒,戦闘毒物,工業毒。人間の営みの裏側には常に闇の領域が形成される。モラルや哲学の必要性を訴える警告の書!
内容説明
生物にあって生態系を見守る装置であったはずの毒は、人間が手にするや恐るべき兵器となり、幾多の変貌を経て、やがては地球環境を脅かすにいたる。人間の営みの裏側につねに闇の領域が形成されていくことを、毒という角度から掘り起こした本書は、今を生きる私たちに巨視的な哲学やモラルの必要性を問いかけている。
目次
第1章 毒を出す動物たち
第2章 毒の国への旅
第3章 イブン・ワッシーヤの地獄の厨房
第4章 最後の神明裁判
第5章 毒殺者たちのローマ
第6章 ポントスの王、毒の王
第7章 毒の市
第8章 毒のルネサンス
第9章 変貌する毒
第10章 忍び寄る死
第11章 地獄の入り口で
第12章 毒の境界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
拡がる読書会@大阪
1
古代から現代に至るまで、人類が毒とどのように関わり、利用してきたかを多角的に探求しています。 自然界に存在する毒を持つ生物とその特性について。 毒を用いた裁判や宗教的儀式。 毒殺事件とその背景。 毒と宗教、倫理の関係。 など、毒というテーマを通じて、人間の営みの裏側に潜む闇や、知識の追求がもたらす光と影を描き出し、現代社会における毒の位置づけやその未来についても考察もある一冊です。 https://note.com/sharebookworld/n/nacbd842c88192024/11/10
こえん
1
「毒」と聞いて思い浮かべるものより、はるかに色々な面から色々なことを考えさせられた。公害の原因物質や枯れ葉剤なんかも当然、毒なんだよね、2010/02/24
Aiko
0
第一次世界大戦について記述されるあたりからべらぼうに面白くなった。全体的に平易な語り口で分かりやすい本。エコロジカルな運動に対するシビアな意見が特に印象的だった。2012/12/12