出版社内容情報
【エコ・フェミ社会主義に向かって】エコロジーとフェミニズムの思想・運動が提起する諸問題を的確に整理批判しつつ,その核心的主張を格段に深化させた未来へのヴィジョン。
内容説明
「ナノ秒」文化に終止符を打ち「生命系」の時間を取りもどす現代文明の重要なパラダイム転換。エコロジー・フェミニズム・社会主義の地平を格段に深化させ、「全人類的危機」克服のための漸新な青写真を提示する。
目次
個人的、政治的イントロダクション
破滅の予言と希望の政治―緑派の登場
女性と自然―エコ・フェミニズムの挑戦
自然の帰る?―ディープ・エコロジーの冒険
純粋無垢の探究
破滅で稼ぐ―すばやい指先と燃える森林
市場への挑戦
エコ・フェミ社会主義に向かって(社会主義かサヴァイヴァル競争か?;世界のケアをする。ゆっくり、しかも遅れずに)
最後に想う
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みか
6
本書の論点は、①緑派の運動の潜在的可能性と限界、②家父長制的資本主義が女性と自然界に与えたインパクト、③男性支配の社会主義が資本主義と対峙するのに失敗した次第の考察、④女性の生活と仕事およびエコロジー的限界の拘束の分析を基礎にして、エコ・フェミ社会主義の諸要素の構築。メラーによれば、社会主義とは「女性の不払い労働や、植民地化された人々の搾取と抑圧、地球資源の「無料」の搾取を無視したもの」である。したがって、「私たちに必要なのは、男性と資本主義双方の拘束から私たちを解放できる社会主義」であると主張する。2008/10/09