内容説明
奴隷制下の黒人は、いかにして日常の価値観、黒人としての生き方を確立したのか。また、支配者が一切の教育制度を認めなかった中で、世代から世代への文化伝承という教育の基本過程は、いかにして可能だったのか。本書は、これらの問いに対して、聞き書き、民間伝承、歌や物語など、黒人自身の言葉を綴りながら答えようとする独創的研究である。多民族国家アメリカの歴史と文化を根本的に問い直し、少数民族の社会的統合と文化変容の構造を研究する本書は、現代社会における非抑圧者の抵抗と適応の問題にも示唆を与える。
目次
奴隷居住区共同体での子供の成長
第1部 白人の教え(世俗的訓練;宗教的訓練)
第2部 黒人の学習(共同性;白人への反感;黒人の卓越;白人権力;家族の重要性;現実と霊的世界の意味;読み書きを学ぶことの望ましさ;自由とは大きな価値あるもの)
第3部 奴隷居住区共同体の教育手段(家族;仲間集団;秘密の集会;歌と物語;共同体)
奴隷居住区とインディアン保留地
補遺 方法論と資料について
感想・レビュー
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